馬英九氏の訪中と台湾総統の訪米が重なる

中華民国の馬英九前総統が、先祖を弔うために今月末から12日間、中国本土を訪問する予定だといいます。情報筋によると、馬氏は中国共産党政治局常務委員の王滬寧氏らと会談するかもしれないということです。

馬氏は今月27日から4月7日までの12日間、中国を訪問する予定です。中華民国の退任した総統が中国本土を訪れるのは、1949年以来初めてとなります。この訪問は現中華民国総統の蔡英文氏の訪米と時期的に重なると見られ、蔡総統はニューヨークとカリフォルニアで演説を行い、米国の下院議長とも会談する予定です。馬氏の事務所は20日の記者会見で、ちょうどタイミングよく清明節での大陸訪問となると語りました。

馬英九基金会執行長・蕭旭岑氏
「今回の訪問は年明け前から計画していたもので、蔡総統の訪米と重なったのは、単なる偶然です。今回の訪中の目的は単に、先祖への弔いと学生たちとの交流です。政治的なものはあまりなく、誰に会えるかなどもわかりません」

馬氏の事務所によると、馬氏はまもなく73歳を迎えますが、これまで中国本土に行ったことがないとのことです。発表された12日間の行程によると、馬氏らは孫文の墓、そして辛亥革命や日中戦争の史跡を訪れ、さらに基金会の人材育成プログラムに参加する大学生らを帯同し、武漢大学や湖南大学、上海の復旦大学など、現地の学生とも交流する予定だといいます。世間では、馬氏の訪中にあたっての役職について注目が集まっています。

蕭旭岑氏
「2015年の中台首脳会談では、特に役職を持たず、当時は役職名をつけずに、互いを呼び合っていました。おそらく今回もそうなるでしょう」

帯同するメンバーは、主に馬英九基金会から成り、前総統府秘書長の曽永権氏や蕭旭岑氏が含まれています。

20日の記者会見後、一部メディアは中国の情報筋の話を引用し、台湾統一戦線工作を担当すると言われている中共政協委員の王滬寧氏が上海で馬氏と会談する可能性を報じました。馬氏の上海訪問は4月5日から7日に予定されており、ほぼ同時期の4月初めには蔡総統が米カリフォルニアでマッカーシー下院議長と会談を行う予定でもあります。またその前には、中共国務院台湾事務弁公室主任の宋濤氏が南京で馬氏に会うとされており、さらに各省市の党委員会書記も馬氏と会い、接待する予定だといいます。

 
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