英国で中共領事館職員が香港人に暴行

中国共産党の第20回党大会が開幕した10月16日、英国では在英香港人たちが中共領事館前で平和的な集会を行いました。しかし、領事館から複数人が出てきて、抗議者の一人を敷地内に引きずり込んで、英国警察の目の前で暴行を加えました。 英議会の議員たちは、駐英中国大使の謝罪と加害者の追放を要求しています。

16日、中共の党大会の開幕に合わせて、英国中部マンチェスターの中共総領事館前で、英国在住の香港人約60人が抗議集会を開きました。 突然、領事館から黒服でヘルメットや防弾チョッキを着用した男たちが出てきて、抗議者らが持っていたポスターなどを破壊しました。

先頭に立って垂れ幕を破壊していた黒いコート姿の男性は、複数の目撃者によって中共領事館の鄭曦原総領事であることが明らかになりました。

鄭曦原総領事が抗議者らが設置した「天滅中共」と書かれた垂れ幕を蹴り倒すと、他の領事館関係者が別のポスターを無理やり撤去しました。

さらには、香港人抗議者の一人を領事館の敷地内に引きずり込み、複数人が暴行を加えました。 その間、鄭曦原総領事は傍らでその様子を眺めていました。

男性の安全が懸念されたため、英国警察官が介入し、被害者を領事館の敷地内から助け出しました。

暴行を受けた在英香港人 ボブさん

「理不尽で、あってはならないことです。我々には表現の自由があるからです。 これが私たちが抗議に集まった理由です。香港のいわゆる政府は、私たちを『暴徒』だと言っていますが、では、あなたたち政府(中共)の人たちは今何をしているのか? 暴徒はどっちだ? 私たちは平和的に抗議しているのです。 なぜ、私たちを殴るのですか?

負傷したボブさんは、その後、他の集会参加者に付き添われて病院で検査を受けました。

香港の元政党「香港眾志」の創設者で党主席の羅冠聰氏は17日、フェイスブックへの投稿で、次のように述べています。

「中国領事館職員が香港人抗議者を敷地内に引きずり込んで殴打した事件は、決して軽んじられるべきものではない。在英香港人の多くは、中共による政治的迫害から逃れるために英国に移住している。もし、香港人が中共領事館の敷地内に連れ込まれた場合、その結果は想像を絶するものになるだろう。私たちが反対している『送中』が、まさにここ英国で起こりかねないのである」

香港人を支援する団体「英国香港華僑協会」は17日に声明を発表し、マンチェスターの中共総領事館が香港人抗議者を強制的に敷地内に引きずり込んで暴行を加えたことを厳しく非難し、英政府に中共領事館職員の責任を追及し、国の安全と人々の自由を守るよう求めました。

英議会のレイラ・モラン議員は、「本当にひどい話だ。今日、内務大臣と外務大臣に手紙を書いた。この衝撃的な行為に関わった領事館関係者は全員、英国から追放されるべきだ」と、ツイートしています。

与党・保守党のイアン・ダンカン・スミス元党首はツイッターで、英政府は中国の大使に全面的な謝罪を要求し、関与した人物を中国へ送還するべきだと述べました。

 
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