四川省の被災地 救助前にPCR検査を要求

四川省瀘定県で5日に発生した地震により、多くの町や村で道路が寸断され、通信が途絶え、電気や水道も止まりました。8日現在、死者は82人に増え、まだ多くの人が行方不明になっています。地震発生後、救助隊が被災地入りした際、当局はPCR検査を受けてから救助に当たるよう要求し、ネットユーザーからは人間性がないと非難されています。

5日昼ごろ、四川省カンゼ・チベット自治州瀘定県でマグニチュード6.8の地震が発生しました。震源地は、中国の観光地等級5Aの観光地に指定された「磨西鎮海螺溝」でした。 地震発生後、風景区の道路は土砂崩れで寸断され、当局の発表によると、観光客やスタッフ200人以上が風景区内に閉じ込められ、多くの家族がSOSメッセージを出しています。

海螺溝風景区観光客の家族 李さん
「救助隊が入ったが、何の情報も伝わってこない。行くこともできない」

瀘定県磨西鎮の住民 小美さん
「 交通の一部はまだ回復していない。風景区に閉じ込められた人たちは一か所に集まっている。ただ道路が寸断され、連絡が取れないだけだ。多くが危険家屋となり、住めなくなった」

ネット上に投稿された動画によると、5日深夜、救助隊が被災地入りしましたが、救助の前にPCR検査を求められました。6日、カンゼ・チベット族自治州当局は、瀘定県、海螺溝に対し封鎖管理を行うと発表しました。救助隊員は24時間以内のPCR検査の陰性証明の提示を義務付けられ、さらに被災地の住民と救助隊員は毎日PCR検査を行うよう求められました。また、被災地に入った人と車両は、出ることはできません。

カンゼチベット自治州政府ホットラインスタッフ
「瀘定県の感染確認の通知はまだ受けていない。こちらの封鎖管理は、地震によるものだ。外部から瀘定県入りする場合、緑色コードと24時間以内のPCR検査報告が必要だ」

当局の発表に対し、ネットユーザーからは「救助を待っている人がいるのに、それでもPCR検査を優先するのか。 人間を人間として扱っていない」 「黄金の72時間の半分もの時間がこれで費やされた」などと、批判が噴出しました。

5日昼ごろ、雅安市石棉県ではマグニチュード4.3の地震が発生し、川沿いの複数の村で深刻な被害に見舞われました。

石綿県新民郷の村民 黄さん
「古い家屋はすべて倒壊し、その数は多い。 水道も電気も止まっている。土砂崩れが発生し、水道管が壊れたので、水が止まったのだ。連絡が途絶えた人もいる。今の一番の問題はやはり地震で、マグニチュード4以上の余震が1日に何度も起きている」

7日、あるネットユーザーが余震による被害について投稿しました。「弟が水道管の修理のために山の上の発電所に行ったが、途中で生き埋めになってしまった。道路はまだ開通していないので誰も救助に行けない。自然災害の前では、本当に無力なものだ」

 
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