上海在住の外国人 約半数が「1年以内に上海を離れたい」

上海都市封鎖が始まってから1か月、当局は大規模なPCR検査を今も継続して、民衆からの強烈な反発を受けています。ある調査結果によって、上海在住の外国人の半数以上が、できるだけ早く上海を離れたいと考えていることが分かりました。

上海市当局のデータによると、上海では4月15日から19日までの5日間で、のべ3700万回ものPCR検査が行われました。4月20日から22日までの3日間にも大規模なPCRスクリーニング検査が行われました。

あるネットユーザーはウェイボーに、「昨日の午後に受けたPCR検査結果が今日午前に出たばかりなのに、抗原検査を受けろと言っている。検査して2時間も経っていないのにまたもや下でPCR検査を受けろと言う。一体何がしたいのか」と投稿しています。

上海市黄浦区の馬さん
「今は毎日PCR検査を受けている。非科学的だ。庶民をこんなにも苦しめている。検査員や防護服を着た感染症対策員の防護服や手袋などすべてが、汚染されている可能性がある。こんなに頻繁に人を集めたら簡単に感染する。PCR検査はずっと行われているのに、陽性者は増える一方だ」

上海では現在、多くの市民が当局の頻繁なPCR検査を拒否し始めており、自宅のドアに「自宅で抗原検査したところ陰性だったため、PCR検査は受けない」と書かれた紙を張り付けています。

上海市民
「予防管理区なのに、居住区から出てはならず、8日間毎日PCR検査をしている。どういうことだ。あなた方は何かやましい事をやっているのではないか?PCR検査の目的は何だ?」

ある専門家は、PCR検査が頻繁に繰り返される背後には、感染症対策に乗じて巨額の利益を手にしている政府高官の存在があると指摘しています。

首都師範大学の元副教授 李元華氏
「全員が1回、2回、3回、5回、6回(と検査を受けている)。彼らはあなたがもっと検査を重ねてくれればいいと思っており、あなたやほかの庶民のことなどどうでもいいのだ。役人は自分の上司しか見ていない。上層部の命令を遂行すれば、上司から引きたてられ、腐敗に手を染めることができるようになる」

上海の都市封鎖によって、さまざまな混乱が生じています。延々と繰り返されるPCR検査に対する庶民の不満も高まっています。

上海復旦大学の台湾人留学生
「本当に注目すべきことは見ることができない。私は(ウィーチャットの)モーメンツや人気検索ワードが目の前で一つ一つ消えるのを見た。薬が必要な慢性疾患の人は携帯端末を使えないし、食料が手に入らない高齢者や妊婦、子供のことなど、居住区で起きているすべての混乱について、これが2022年の上海だと想像することは難しい」

上海に住んでいる多くの香港人や台湾人、外国籍の人など、今回のゼロリセット政策の波に巻き込まれた人たちは現状への対処が追い付いていません。

上海在住のドイツ人のロスさんは先日、徐匯区(じょかいく)東塘居住区の居民委員会から、その日の夜に仮設病院で隔離されるようにと電話で通知されました。

上海在住のドイツ人 ロスさん
「私が陰性であることは私が知っている」

通訳
「だが現在、規定によってあなたは仮設病院に行かなければならない」

上海在住のドイツ人 ロスさん
「ここではまともな政策は行われていない。疾病予防コントロールセンターは2日前に私に電話をかけてきて、人を派遣するのでPCR検査を受けろと言った。だが誰も来なかった。もし人手が足りなかったと言うのなら、それは私の問題ではない。君たちの体制が本当にダメだからだ。まったく機能していない。私は仮設病院に行ったことがあるが、そのとき彼らは私を受け入れずに自宅に送り届けた。バカな話だ。これは君たちの恥で、政府の恥、上海の恥、中国の恥だ。まさに壮大な笑い話だ」

通訳
「あなたの話を彼らに伝えはするが、彼らはあなたに『仮設病院へ行け』と伝えたいだけだと思う」

同様の経験をした上海在住の外国人は、自分が今後も中国に居続けた場合にどんな未来が待っているかを見つめ直しています。

香港フォックスメディア傘下の『これが上海(這是上海)』が4月中旬に上海在住の外国人950人を対象に調査を行ったところ、48%が1年以内に上海を離れたいと回答したことが分かりました。37%は感染症が収束して上海の状況が好転しているかどうかを見極めたうえで上海に残るかどうかを決定すると回答しており、両者を合わせると85%に達しました。

生粋の上海人の中にも移住を強く望んでいる人たちが出始めました。英経済紙のフィナンシャル・タイムズは、上海市民がウェイボーで「移住」を検索した回数は今月初旬から7倍に増えたと報じています。

 
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