中国のワクチンビジネスの闇 「ブースター接種は製薬会社の利益のため」

中国の医療衛生関連部門で、激震が走っています。北京衛生健康委員会主任の于魯明(う・ろめい)が失脚した翌日、シノバック・バイオテック(科興控股生物化学)は、同社の曹暁斌(そう・ぎょうひん)シニアマネージャーの訃報を発表しました。医療衛生系統で大きな事件が立て続けに起きたことで、多くの業界関係者が中共の都市封鎖の背後にある真相を思い浮かべています。中共の極端な防疫対策の背後にある巨大な利益チェーンが改めて注視されています。

シノバック社は4月18日、政府事務センターの曹曉斌シニアマネージャーが、病院での治療もむなしく4月17日、45歳で亡くなったと発表しました。

中共規律検査委員会・監督管理委員会はその前日、北京市政治協商会議の副主席で北京市衛生健康委員会主任の于魯明を、深刻な規律違反の疑いで調査中だと発表しました。于魯明の業績の一つであるオンライン受診システムも20日から運用が停止されています。

そんな中、ある市民が一連の出来事を時系列で整理したものが注目を集めています。

ある業界関係者は、今回の一連の流れは北京の感染状況が悪化したあとに行われる、粛清の前兆だと確信しています。

中国紅十字会の元プロジェクト担当幹部の任瑞洪(じん・ずいこう)氏は、医療は長い間、中国に残された数少ない利益獲得分野であるだけでなく、暴利行為の温床とあって、これまでしっかりとコントロールされてきた分野でもあると指摘しています。巨額の利益が動く中では、低品質ワクチンと何の効果もない国産コロナ治療薬について調査を進めることが真に求められているにも関わらず、誰も責任を追及されません。

ジャーナリストの陳洪濤氏は、于魯明が逮捕された理由について、PCR検査を含めたワクチン接種が理由だとインターネットではもっぱらの話題だが、これらはすべて公然の秘密でもあると指摘しています。とはいえ陳洪濤氏は、于魯明が別の人物の利益を損なったために逮捕された可能性も考えられると述べています。

これより前にネット上には、ハーバード燕京(イェンチン)研究所の黄万盛研究員の驚くべき録音が流出したことがありました。その中で黄万盛(こう・ばんせい)氏は、中共上層部が現在行っている防疫政策は、巨大な利益を貪るためのものだと明かしていました。

ハーバード燕京研究所 黄万盛研究員
「科学技術部の最も大きな問題、現在の最も深刻な問題は、PCR検査の試薬とワクチン開発がすでに権力が直接関わる利益集団と化していることだ。これら上層部の『フロント企業』と一族が、このPCR検査の試薬ビジネスに手を染めている」

「1人か2人感染者が出ただけで、その区域の全住民にPCR検査を受けさせることができる。彼らが必要なのは、PCR検査の試薬の販売数だけだ。その数が増えるだけで利益になるからだ」

「私が一昨日入手した数字は、このどうしようもない(企業)グループが、PCR検査の事業だけで6700億元(約13兆2900億円)を稼ぎだしたというものだった」

国際的な研究者の黄万盛氏は、現在の中共の防疫政策は、巨大な利益によって突き動かされていると考えています。

ハーバード燕京研究所 黄万盛研究員
「このような方法で免疫を向上させようとする国は世界中どこにもない。実際にはこうした方法で利益集団に利益が流れている。これにはワクチンの強制接種も含まれている。3回も4回も打つ必要があると言われるのは、すべて背後の利益集団と関係している」

「だから米国と欧州、中でも英国は、この理屈が明らかになってからはすべてを緩和した。この件から完全に手を引いた。その結果、自然な免疫を獲得できるようになった」

1週間ほど前にある人物が、「上海の感染拡大がコントロール不能に陥るに伴い、北京の状況も楽観視できなくなっている。政治的なニーズに基づき、上層部は実情を公表しないだけでなく、その罪を肩代わりさせるための人物を探している。今週起きた于魯明の失脚事件は、医療利益集団の大清算の序幕が開いた可能性もある」と明かしています。

 
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