米英豪 極超音速兵器を共同開発

米国英国豪州が5日、3か国による安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の一環として、極超音速ミサイルの開発で協力すると発表しました。中共への対抗が目的だとされています。

英国、豪州と結んでいる米国の安全保障に新たな展開です。3か国は、現代の戦争に不可欠な極超音速兵器システムの開発に取り組んでいると発表しました。

豪州 スコット・モリソン首相
「最高の技術者、最高の防衛産業、最高の国防軍が協力することで、それぞれの能力を確実に高めている」

この発表は、中共が極超音速兵器の実験を行った数か月後に行われました。極超音速兵器は米国に脅威を与える可能性のある兵器です。

豪首相は、その緊急性を指摘しています。

豪州 スコット・モリソン首相
「最も重要な目標は、その能力をできるだけ早く手に入れ、パートナーと協力して最高の状態にすることだ」

モリソン首相は、極超音速兵器は現代の戦争において重要な要素であるとも述べています。

豪州 スコット・モリソン首相
「長距離攻撃能力は、防衛戦略計画で定められた防衛の重要な部分であり、これからの戦闘の主要な技術の一つである」

豪州は、中共の軍事的拡大に対する懸念が強まっているため、長距離攻撃能力を強化することを望んでいます。昨年11月、中共が保有する核弾頭を急速に拡大しているというニュースを受け、豪国防相は「ホバートを含む豪州のすべての主要都市は、中国のミサイルの射程圏内にある」と警告しました。

豪州が警告を発するちょうど1か月前、中国が行ったとされる極超音速兵器システムの実験が、米国防総省に警鐘を鳴らしました。米軍トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は、「非常に懸念されることだ」と述べています。

ミリー氏は、中国の実験が重要な転換点に差し掛かっていると指摘し、「我々のすべての関心を集めている」と付け加えました。

極超音速兵器システムそのものが、どうして米国を脆弱にするのでしょうか?

ハドソン研究所中国戦略センター長 マイケル・ピルズベリー氏
「核兵器やあらゆる種類の兵器を宇宙の軌道に打ち上げ、そこに留まらせ、そして、何かを破壊しに来るように指示するのだ。どの方向から来てもおかしくないため、ミサイル防衛も準備もできないし、実際に、警告するための時間はほとんどない。これが衝撃値であり、衝撃兵器なのだ」

懸念しているのは米国だけではありません。極超音速兵器の開発を発表する前に、豪州はミサイルの改良に20億ドル(約2,480億円)以上を投じると発表しました。豪国防相は、「2〜3年以内に地域内で紛争が起こる可能性があり、その脅威に対して現実的であるべきだ 」と述べています。

〈字幕版〉

 
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