習近平総書記が軍の重要人事を発表 江沢民・曽慶紅の基盤を狙い撃ち

中共の第20回全国代表大会を今年の秋に控え、習近平総書記が人事調整を大々的に行っています。江西省で最近行われた2回の人事について、習近平総書記が江沢民、曾慶紅派による妨害活動を阻止し、政敵を弱体化させるために行ったのではないかとの見方が広がっています。

党の第20回全国代表大会を控え、習近平総書記は、曾慶紅の出身地である江西省で、軍区司令官と武装警察政治委員を総入れ替えしました。

軍区司令官に関しては、江西省政府公式サイトに3日、江西省軍区政治委員の鮑沢敏(ほう・たくびん)と省軍区司令官の張弓(ちょう・きゅう)らが4月2日午前、慰霊のために南昌市烈士陵園を訪問したと発表しました。

55歳の鮑沢敏氏は元北京衛戌区(えいじゅく)政治委員で、2018年12月に少将に昇進しました。中国メディアの江西日報は2021年7月23日、鮑沢敏が江西省軍区政治委員に就任したと報じました。

張弓は北海艦隊航空兵参謀長、東海艦隊副参謀長などを歴任し、2019年6月に海軍少将に昇進しました。公開されているこれらの情報から、張弓はすでに江西省軍区司令官に就任したことがうかがえます。

武装警察政治委員に関しては、武装警察政治工作部組織局元局長の徐雲飛が2021年、中共軍公式メディアの「解放軍報」で習近平に忠誠を誓いましたが、中共第19回代表大会後、徐雲飛は陳杭(ちん・こう)のポストを引き継いで、武装警察江西省総隊政治委員に就任しました。

これより前にある中国メディアは、武装警察総部から省級の武装警察総部主官に「パラシュート」式の人事が行われることは珍しいと分析しています。

また、3月28日に中共軍駐香港部隊の呉韜(ご・とう)報道官は、賴如鑫(らい・じょきん)が駐香港部隊の政治委員に就任したと発表しました。香港は長年、曾慶紅が掌握しており、現時点でもまだ一部の香港メディアが江沢民を支持し、反習近平姿勢を崩しておらず、江沢民・曾慶紅派の立場を明確にしています。

習近平総書記が今回の軍の二大人事を行って曾慶紅の出身地とその長年の基盤である香港を狙い撃ちしたのは偶然ではなく、第20回代表大会の権力闘争における人事面での力比べを行っているとの見方が広がっています。

 
関連記事