中国共産党系メディアのウクライナ侵攻への見解とは?

ネットユーザーらが「大翻訳運動」開始

ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、中国のネットユーザーたちによりインターネット上である運動が展開されています。彼らは、中共の官製メディアのウクライナ情勢に関する記事を英語などの言語に翻訳し、中国国外の人々に対して、中国共産党系メディアのウクライナ侵攻に対する見解や立場、それに追随するネットユーザーらのコメントを共有しています。翻訳を行っているネットユーザーらはこの翻訳活動を 「大翻訳運動(The Great Translation Movement)」と呼んでいます。

ロシアのウクライナ侵攻について、中国の多くのネットユーザーらがSNSを通じて、ロシアのプーチン大統領への支持や賛同を示しています。彼らは、「プーチン大統領はこの時代の伝説だ。彼は歴史に名を残すだろう」、「中国はあなたと共にある。加油(頑張れ)!」などといったコメントを投稿しています。

また、中共の官製メディアもロシア批判を避け、プーチン大統領に対する肯定的な態度を示してるほか、中共の規制当局が中国のSNS上でのウクライナ侵攻に関する否定的な意見に対して検閲を行っています。

これに対抗する形で、中国の一部のネットユーザーらは「大翻訳運動」を開始しました。彼らは、中国共産党系メディアのウクライナ侵攻に対する見解や立場を海外の人々に知らせるため、中共の官製メディアの掲載記事やそのコメント欄に投稿しているネットユーザーらの意見を英語などの言語に翻訳しています。

「大翻訳運動」に参加するユーザーが13日、Twitter上にロシアに賛同を示す中国人男性が映っている動画を共有しました。動画では、中国人男性がプーチン氏について「偉大である」と称賛し、尊敬すると述べています。

中国人民主活動家・康朋虎氏は、中国共産党政権は長年にわたり欧米社会における言論の自由を利用して、偽情報を流してきたとし、このため、そのフェイクを暴く「大翻訳運動」は称賛すべき活動だと述べています。

中国人民主活動家 康朋虎氏
「中国共産党は長年にわたり、多くの資源と富を蓄積してきた。組織化された巨大なネット工作部隊を雇って、世界中に噂やフェイクニュースを広めている」

「現在、人々は自分たち自身で団結し、ネット工作員が流布したプロパガンダやフェイクニュースを暴きだしています。彼らは、西側の人々がそれを見ることができるようにしているのだ。これは非常に意義のある活動です。行う価値があると思いますし、この活動を継続することに意味があると思います」

「大翻訳運動」では、中共メディアの掲載記事や論評を英語以外にも、日本語やドイツ語、韓国語などに翻訳しています。

 
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