監査拒否の大手中国企業5社 3年後に上場廃止の可能性

中国企業5社がニューヨーク証券取引所から上場廃止になる可能性があります。

上場廃止になる可能性がある中の1社であるヤム・チャイナ・ホールディングス(百勝中国控股)は、中国全土に1万数千店以上のレストランを展開しており、中国最大のレストランチェーンです。

ヤム・チャイナが運営するファーストフードチェーンには、KFC、タコベル、ピザハットなど、米国人に馴染みのある店舗もあります。

ヤム・チャイナは、これらのファストフードチェーンの中国国内における独占運営権を所有しています。

しかし、ヤム・チャイナと他4社の中国企業は現在大きな問題に直面しています。米中両政府間の企業監査を巡る対立に巻き込まれており、上場廃止となる可能性から、11日に中国企業5社の株価は急落しました。

ヤム・チャイナの香港上場株は11日に12%、ニューヨークでは約15%下落しました。

米証券取引委員会(SEC)は、米国に上場しているすべての中国企業の監査記録を公開するよう要求しているものの、中国共産党政権は国家安全保障上の懸念を理由に、外国機関による中国企業の会計監査を禁じています。

この対立により、中国企業への数千億ドルの投資が危機にさらされています。

昨年12月、米政府は中国企業273社が開示要求に応じなかったと発表しました。当時は、具体的な企業名を公表しませんでした。しかし、今回ヤム・チャイナを含む5社を名指し、外国企業説明責任法により、監査を実施できない状態が3年続いた場合上場廃止対象となる企業に指定しました。

ヤム・チャイナ以外の中国企業には、ベイジーン(百済神州)とザイ・ラボ(再鼎医薬)、医薬品メーカーのハチメッド・チャイナ(和黄医薬)、ACMリサーチが指定されました。

米証券取引委員会は、これらの企業に対し、3月29日までに監査の要求に応じない明確な理由を提出するよう求めています。

これを受け、中国証券監督管理委員会(CSRC)は11日、中国が対立解消のために米国側と合意に達することを確信していると表明しました。

2021年5月、米国の証券取引所には約250社の中国企業が上場しており、その時価総額は2兆1,000億ドルに達しているとされています。

 
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