元米海軍技術者「原潜の機密を外国に売ろうとした」

海軍の元原子力技術者が2月14日、軍事機密を外国に売ろうとした罪を認めました。 同被告の妻もまた、夫を幇助した罪に問われていますが、無罪を主張しています。

43歳のジョナサン・トービー被告は、米海軍で原子力技術者として勤務し、海軍原子力推進計画に配属されていました。

トービー被告は、最高機密を取り扱う資格を有しており、軍艦に使用される海軍原子力推進技術に関する情報にアクセスする権限を有していました。

米司法省国家安全保障局のマシュー・G・オルセン司法次官補は、「米国政府が最も懸命に守っている秘密事項の中に、原子力軍艦の設計に関するものがある」と述べました。

原子力推進技術は、軍艦が数か月間、燃料を補給しなくても航海できるようにする技術です。

トービー被告は、2021年6月にウェストバージニア州の「デッド・ドロップ」と呼ばれる所定の受け渡し場所で、機密情報が入ったSDカードをピーナツバターサンドイッチに隠し持った罪に問われています。妻はその間、見張りをしていました。

その後、SDカードを回収したFBIの覆面捜査官は、トービー被告に暗号通貨で2万ドル(約220万円)を送金しました。

米司法省によると、トービー被告はその後、SDカードの復号キーを覆面捜査官に電子メールで送信しました。復号したところ、そこには潜水艦の原子炉に関する軍事機密の設計や性能に関するデータが含まれていました。

8月、トービー被告は再びSDカードを引き渡し、FBIの覆面捜査官は同被告に暗号通貨で再度7万ドル(約800万円)を支払いました。

10月、トービー被告がウェストバージニア州の別の受け渡し場所に3枚目のSDカードを置いた時に、FBIはトービー被告と妻を逮捕しました。

ジョナサン・トービー被告は、検察当局との取引の一環として、妻と共謀して機密データを渡したことを認めました。

司法取引の内容によると、トービー被告には12年から17年の禁固刑が言い渡される見通しです。

夫に協力した罪で起訴されたトービー被告の妻は、依然として刑事責任を問われています。妻は無罪を主張していました。

〈字幕版〉

 
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