「中国は一つだけ」「強制労働は嘘だ」北京五輪組織委員会の政治的発言が波紋

冬季五輪が開かれている北京で、2月17日に行われた国際オリンピック委員会(IOC)の定例記者会見で政治的発言が行われ、波紋が広がっています。台湾選手団の閉会式の出席について質問された際、大会組織委員会の報道官が割り込み、「台湾は中国の一部分だ」などといった「政治的中立」にそぐわない発言をしました。

北京冬季五輪大会組織委員会 厳家蓉報道官
「私が指摘したいのは 、世界に中国は1つしかなく、台湾は中国の不可分の一部であるということだ」

北京冬季五輪大会組織委員会 厳家蓉報道官
「我々は、冬季五輪を利用してスポーツを政治化するような行為には常に反対してきた」

IOCは「政治的中立」を掲げ、選手がオリンピック会場内で政治的メッセージを発信することを禁じています。

中共は、台湾を中国の一部と見なしています。台湾には民主的に選出された独自の総統と憲法があるにもかかわらず、武力による統一を実現すると常に脅迫を行っています。

台湾外交部は18日、北京冬季五輪大会組織委員会厳家蓉報道官が「台湾は中国の一部分だ」と述べたことに対して、「我が国の主権を損なう誤った発言だ」として厳正な抗議を表明しました。

17日の記者会見ではまた、記者が新疆ウイグル自治区での強制労働問題について、IOCに質問しました。

CNN記者
「大会公式ユニホームに、ウイグル人の強制労働による製品が含まれていない自信がありますか?」

IOC マーク・アダムス広報責任者
「私たちの使用している製品は新疆で製造したものではなく、使用原料も同地域のものではありません」

大会組織委員会の報道官が再び割り込み、「この質問に関しては、簡単なコメントをする義務がある」と述べました。

北京冬季五輪大会組織委員会 厳家蓉報道官
「いわゆる新疆の強制労働問題は、下心のある一部の勢力が捏造した嘘だ」

米国のバイデン大統領は昨年12月23日、強制労働を理由に新疆ウイグル自治区からの輸入を禁じる法案に署名しました。企業が輸入したい場合、強制労働によって生産されていない明確な証拠を提示する必要があります。この法案は今年6月下旬に施行されます。

 
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