中国の出生率が過去最低を更新 進む高度高齢化社会【禁聞】

中国の2021年の出生率が過去最低を更新しました。新生児の数が5年連続で減少し、少子高齢化が進んでいます。中共当局は少子化対策に力を入れていますが、中国のネットユーザーの間では、生活環境が改善されないのだから子供をたくさん産む必要はないと考えられています。

中国の出生率が過去最低を更新しました。中共国家統計局が1月17日に発表した資料によると、新生児の数が連続で5年減少し、1949年以来過去最低水準まで落ち込みました。

中共当局は数年前から少子化対策を推進していますが、出生率は上昇に転じていません。そのため中国の人口の自然増は終わりに差しかかっていると国外からは見られています。

大紀元コラムニスト 王赫氏
「主に二つの問題がある。一つ目は中共の計画出産政策(一人っ子政策)の悪しき効果が大々的に発揮され、そのツケを支払わなければならないのだ。二つ目は経済、社会、文化の発展においてだ。中国経済がこの段階に突入すると、出生率は必然的に下がる。これは世界共通の人口推移のパターンである」

中国の出生率が過去最低を更新したことで、ネットユーザーの間で「必要がないなら子供は生まない」といった激論が沸き起こりました。評論家は、中国は不動産価格や医療費といった生活コストが非常に高いため、多くの中国人が子供をもつことに消極的だと指摘しています。

大紀元コラムニスト 王赫氏
「中国人の貧富の差は激しく、89%が貧困層だ。こうした状況では生存圧力によって子供を産み育てようという気持ちが大きく低下する。2021年に入ってから中共は、今度は『三人っ子政策』を打ち出した。だがこの三人っ子政策は現在の疫病の流行と重なってしまったため、この政策は非常に限定的だ」

ニューヨーク・タイムズは、この「一人っ子政策」と社会や経済面の条件によって、出産を遅らせたり諦めたりする中国人女性が増え続けていると指摘しています。米国在住の経済専門家、鄭旭光氏は、中国の出生率の低下は長年の積み重ねによって生まれた必然的結果だと考えています。

米国在住の経済専門家、鄭旭光氏
毛沢東は、計画経済を行うのだから出産も計画的に行うべきだと考えた。これは理論的には話が通っているように見える。経済を計画的に進めたいなら、最も重要な生産手段である人口も、計画的に行わなければならない、(両者は)セットだと考えた。計画出産を行っても、すぐ(結果が)現れるものではない。この政策の悪しき結果(が現れるの)は数十年経ってからだ。この1~2年は過去40年間の政策の一部にすぎない。最終的な結果はこの通りだ」

データによると、2021年の中国の出生数は死亡者数をわずかに上回りましたが、死亡者数が出生数に迫ったのは60年前の大躍進時代以来、初めてのことです。中国の独立研究者で人口問題に詳しい何亞福(か・あふく)氏はニューヨーク・タイムズに対し、「中国のような人口の多い国の場合、出生数と死亡者数の差が数十万しかなければ、基本的にはゼロ成長の範疇に入る」と述べています。

中国人の寿命は延び続けており、それが人口を一定数に保つ一助となっているとは中共当局の言葉ですが、米国在住の経済専門家、鄭旭光氏は、子どもを持たない層が増えるにつれ、出生率は自然に減少すると指摘しています。

米国在住の経済専門家、鄭旭光氏
「計画出産委員会の主任報道官が言うには、計画出産が行われた30年間で人口増加を3億〜4億人減らせたそうだ。では、その時期に生まれた人の最年長は30歳で、最年少が1〜2歳だ。では、もしこの3億人、4億人が生まれていたとしたら、彼らは子育て世代にあたる。だが今、この人たちは存在しない。実際の中国社会にいないのだ。計画出産によって消されたからだ。抑圧されて消されたのだ。そして今、中国は高度高齢化社会であることが明らかになった」

ロイターは、出産適齢期の女性の数が継続的に減少し、若年層の出産・子育て願望が低下したことで、出産レベルが低下したほか、疫病の流行も若年層の結婚・出産願望に影響しています。ロイターは専門家の話として「中国の高齢化の速度は明らかに予想を上回っている」と報じています。

 
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