北京の独立候補の自宅が強制立ち退きに

中国では、地方議会にあたる人民代表大会の選挙をめぐり、独立候補として立候補を表明した北京の複数の候補者が、地元政府による強制立ち退きにより自宅を失い、選挙活動の撤退を余儀なくされました。

北京では、大規模強制立ち退きが、今も行われているようです。

情報筋によると、北京市朝陽区のある村の地方政府が先月、3軒の家屋の強制立ち退きを命じました。これらの住宅はいずれも、中国の全国人民代表大会選挙に立候補した独立候補者のものでした。

また、暴力的な強制立ち退きの過程で、候補者の家族数人が負傷しました。

独立系候補者とは、公式な政治的背景がなく、中国共産党の支持もないことを意味します。これらの独立系候補者の身分は、失業中の労働者、学生、教授など、さまざまです。このような強制立ち退きは、主に中央政府からの締め付けによるものと見られています。

11月12日に取り壊されたのは、地元住民郭啓增さんの自宅でした。

現場の映像によると、郭さんの娘が生後2か月の赤ちゃんのオムツを交換している時、黒服に身をつつんだ数人の男が家に押し入り、娘さんを地面に叩きつけました。二人の女性が赤ちゃんを連れ去り、その後、一家は10時間以上にわたって別の場所に拘束されました。自宅に戻った時は、瓦礫だけが残されていました。

同じ日、李海荣(り・かいえい)さんの家も取り壊されました。

郭さんと李さんは二人とも、今年の全国人民代表大会選挙に、独立系候補者として立候補する予定でしたが、2人とも被害を受けて撤退を余儀なくされました。

これらの強制立ち退きは、そのタイミングが疑問視されています。この事件は北京の独立系候補者14人が、10月15日に共同で、選挙綱領を発表した直後に起こったからです。その1週間後、前回の候補者である郭桂軍(かく・けいぐん)さんも同じように、家を失いました。作業員が家を壊しに来た時、郭さんの夫は暴力を振るわれ、骨折しました。

北京市朝陽区十八里店鄉住民 肖さん 
「数軒の家が取り壊された。交渉も引越しの連絡もなかった。郭启增さんの家は全て取り壊された。先月は郭桂軍さんの家が取り壊された。彼らを家から無理やり追い出し、家の中に押し入った。郭さんの夫は殴られて骨折した。取り壊しは大規模で、上からの命令だと思う」

NTDは、独立候補を表明した14人に連絡を取りましたが、いずれも電話が繋がりませんでした。

〈字幕版〉

 
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