上海黄浦区で都市封鎖 市民「感染ゼロ政策は不可能」

中共当局は、10月17日から11月5日の20日間で、全国の感染者が20の省の累計で918人に達し、感染源は市内ではなく外から持ち込まれたものだと発表しました。一方で、これまでに現地での新規感染者が報告されていないはずの上海ですが、住民の間では陽性者が出たとの話が流れています。また、中共の「感染ゼロ政策」は不可能だと指摘する声もあります。

中国大陸では10月17日以来、新たな感染の波が現時点で20省の44都市に広まっています。

上海市衛生健康委員会は10月18日から11月7日までの間に、上海では現地住民を感染源とした新たな感染確定者は出ておらず、新規感染者はいずれも外から持ち込まれたものに起因していると発表しました。

これに対し、ある上海市民は、上海市黄浦区の南昌路と茂名路に近いあるビルの周囲が封鎖されていると明かしています。路肩には、白いマイクロバス2台と複数の警察車両が停車していたといいます。

上海市民 鄭さん
「聞くところによると、上海にも新規感染者が出たらしい。政府は公表していない」

10月の連休の後に起きた今回の感染拡大について、中共側は「今回の感染拡大は外から持ち込まれたものが原因だ」としていますが、反論の声が上がっています。

河北省 陳さん
「上がこうだと言えば、下はそうですかと聞くだけだ。それが本当かどうかは誰にも分らない」

陳さんは、政府の発表からは疫病が発生している場所の本当の状況は分からないと話しています。

河北省 陳さん
「正式な報道について耳に入って来ない。通常私たちは、側面からどこそこの場所(で感染が起きた)と感じ取るものだ。その一つがTikTokを見ること、そしてもう一つ(ウィーチャットの)タイムラインからも知ることができる。それとは別に、私たちの村の大隊が、あなたはどこそこの場所から帰ってきたから、大隊に出向いて届出しろと通知する」

また、人類は中共ウイルスと共存せざるを得ないとの考えが一般的となった国際社会とは裏腹に、中共当局が今も疫病対策に「感染ゼロ」政策を講じていることに対し、一部の市民は疑問の声を挙げています。

上海市民 鄭さん
「感染ゼロ政策だが、すべてゼロにリセットするなんて不可能だ。人は移動するのだから。政府がこんなに厳しく管理しているのになぜ(疫病が)発生するのか。いずれにしても都市封鎖は人を不安にさせるし、そこまで必要なこととは私には思えない。封鎖ばかりしていては、庶民の自由はすべてなくなってしまう」

 
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