ドイツ すべての孔子学院を再評価か

独政府は現在、独国内にある大学に設置されている孔子学院について再評価するよう要請しています。

独メディアの10月29日付の報道によると、独のアニヤ・カルリチェク(Anja Karliczek)連邦教育研究省大臣は、独大学長会議(HRK)と各州文部大臣会議(KMK)に宛てた書簡で独の高等教育機関における孔子学院の役割を再評価するよう要請しました。

発端となったのは、孔子学院が設置されているデュースブルク・エッセン大学とハノーファー大学がドイツ人作家らの著書『習近平伝』の出版記念イベントとして開催予定だった2回のリモート読書会を中止にしたことです。

孔子学院を通じて、中共政府からの圧力を受けたものとされています。

中国共産党は孔子学院について、中国と海外の学校を結びつけ、言語や文化の交流を目的としていると宣伝しています。しかし、専門家らは、孔子学院は中共の影響力や共産主義理論を輸出するためのツールだと批判しています。

カルリチェク大臣は、中共が教育機関を通じてドイツの教育に影響を与えていることについて「受け入れられない」と述べました。

過去20年間において、中共は世界各地に約550の孔子学院を設置しており、ドイツには約20の孔子学院が設置されています。

ドイツでは、各州がそれぞれの大学の方針に責任を持っています。しかし、独週刊誌「デア・シュピーゲル(Der Spiegel)」は、今回の件について「連邦政府の大臣が、大学の活動に露骨に干渉し、その協力協定を批判することは注目すべきことだ」とコメントしています。

『習近平伝』の共著者であるシュテファン・オースト(Stefan Aust)氏は、「孔子学院はドイツに伸ばしてきた中国共産党の長い手だ」と述べています。

 
関連記事