アップル サプライチェーンの問題で60億ドルの損失

サプライチェーンの問題はAppleにも打撃を与えています。四半期ごとの業績予想が外れ、同社は今年のホリデーシーズンの需要を満たせないのではないかと懸念しています。

Appleはこの四半期(7−9月期)決算でウォール街の予想には達しませんでしたが、売上高は30%近く増加しました。また、どの製品カテゴリーも年間ベースでは成長しています。

Apple最高経営責任者(CEO)ティム・クック氏
「業界全体でのシリコン不足や新型コロナ関連の生産中断など、主にこれらが制約となって、60億ドル(約6800億円)の減益が生じたと推定している。それでも、Macでは過去最高を記録し、iPhone、iPad、ウェアラブル・ホーム・アクセサリー部門でも四半期ごとに記録を更新し、製品全体では前年同期比で30%の成長を遂げた」

この第4四半期に限らず、iPhone、iPad、Macの売上は爆発的に伸びており、現在Appleは目覚ましい成長を遂げています。しかし、供給面で予想以上に大きな制約があったことも事実です。Appleの最高経営責任者(CEO)ティム・クック氏は、その原因のほとんどが業界全体の半導体チップ不足にあると述べています。

米ウェドブッシュ証券 マネージング・ディレクター ダニエル・アイブス氏
「iPhoneは1,000万台ほど不足することになるだろう。これは、Appleにとって前例のないことだ。これは、過去30年間で最悪のサプライチェーン危機を映し出す実例だ」

Appleは、サプライチェーンの制約が更に悪化しても、前年同期比では堅調な成長を見込んでいるとしています。クック氏は、12月の第1四半期は同社史上最大の収益を記録すると予想していますが、ダニエル・アイブス氏は供給が追いつかないだろうと述べています。

米ウェドブッシュ証券 マネージング・ディレクター ダニエル・アイブス氏
「Appleは現在、ホリデーシーズンに向けての在庫が通常より70%ほど少ない。感謝祭のある11月の第3週に、店頭またはオンラインでiPhoneを注文しなければ、iPhoneをクリスマスプレゼントにすることはできないと思う」

アイブス氏は、来年の2月か3月にならなければAppleのサプライチェーンの問題は改善せず、それまでは大規模な品薄状態が続くだろうと考えています。

Appleが四半期ベースで業績予想を上回ることができなかったのは、2016年以来のことです。

〈字幕版〉

 
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