世界的な物流停滞の混乱に巻き込まれたおもちゃ類

今年のクリスマスは、サンタさんが北極からプレゼントを届けるには、9頭のトナカイと1つのそりだけでは足りないかもしれません。すでに製造されたおもちゃが、世界的なサプライチェーンの混乱に巻き込まれ、店頭に並べられるのが来年以降になる可能性があるためです。また、その問題の一端を担っているのが中国です。

米ニュージャージー州の小さなオフィスでは、慌ただしい日々が続いています。

ここは、スロット玩具メーカー・カレラレベル(Carrera-Revell)社の非公式な物流センターであり、年末商戦に向けた玩具需要に間に合わせることが急務となっています。

カレラレベル社米国支部フランク・ティーセン支部長
「現時点でのコンテナの状況に関する最新情報を提供するだけだ」

カレラレベル社米国支部のフランク・ティーセン支部長はマネジメントを担当しています。

レポーター
「なぜ物流に直接関わる必要があったのか?」

カレラレベル社 フランク・ティーセン氏
「世界的なサプライチェーンの問題に直面しているからだ」

貨物船、オーダー番号、品物の到着日などを正確に把握する必要があります。

カレラレベル社 フランク・ティーセン氏
「朝一番に、倉庫の滞留状況を確認するのが日課となっている」

カレラレベル社のスロットカーは、中国の倉庫で止まっており、出荷を待機しています。

カレラレベル社 フランク・ティーセン氏
「このようなコンテナが25~30個あり、 私たちの元まで届くのは難しいだろう」

これは、同社のクリスマス向け商品の30%に相当します。

サプライチェーンの混乱に直面しているのは、カレラレベル社だけではありません。港の混雑により、5月に出荷されたコンテナが、最近アトランタにあるカレラレベル社の倉庫に到着したばかりです。予定より5か月も遅れています。

PBLグローバル・ロジスティクス(海運サービス会社)アンジェラ・ヒッグス氏
「ここ3か月で、需要が急回復している」

アンジェラ・ヒッグス氏はカレラレベル社の貨物輸送会社を経営しています。玩具を受け取って、早急に小売店に届けることが任務です。

PBLグローバル・ロジスティクス(海運サービス会社)アンジェラ・ヒッグス氏
「次から次へと遅延が発生し、もちろん我々は何度も何度も催促してきたが、現在は既に遅延は避けられなくなった」

米国のほぼすべての港が混雑に直面している中、倉庫はすべての港を利用し、機能するサプライチェーンをつなぎ合わせています。

PBLグローバル・ロジスティクス(海運サービス会社)アンジェラ・ヒッグス氏
「私たちはできる限りのことをしている。そうしないと、これらの商品がお店に届けられない。おもちゃを買えない人が出ないようにしたいと思っている」

物流の停滞解消に向け、米国のバイデン大統領は先日、入港待ちのコンテナ船からの荷揚げのため、カリフォルニア州の2つの主要港が24時間体制で稼働することを発表しました。

しかし、ティーセン氏はこの取り組みは、直面する問題を海路から陸路にずらしただけだと述べています。

レポーター
「政府の取り組みはあなたたちの助けになるのか?」

カレラレベル社米国支部フランク・ティーセン支部長
「いえ、役に立たない。コンテナを船から降ろした後に発生する問題を軽減することはできない。それは、陸上でコンテナを移動させるためのトラックや貨物列車が十分に用意されていないためだ」

現在、約20万個のコンテナが船上に滞留しており、荷揚げする場所が限られています。

 
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