習近平氏 孫文の言葉を引用するも誤用

中国共産党の習近平総書記は10月9日、辛亥革命110周年の記念式典で「中国革命の父」と称される孫文の言葉を引用し、演説を行いました。

しかし、誤った解釈で使用しています。

習近平氏は、中国の首都・北京に位置する人民大会堂で行われた辛亥革命から110周年を記念する式典で、革命の先駆者である孫文の功績を讃えました。

孫文は、民主主義国家の樹立に向けた革命運動を指導しました。

1911年10月10日、孫文は清王朝を打倒するために武昌蜂起を起こし、数千年に及ぶ中国大陸における専制君主制に終止符を打ちました。

習近平氏は演説の中で、革命の先達である孫文はかつて「統一は中国の国民の希望」であると述べたとし、「台湾問題は民族の弱さと混乱から生じた問題であり、中華民族の復興につれて解決される」「孫文が言ったように、世界の潮流に乗る者は繁栄し、潮流に逆らう者は滅びる」と述べました。

しかし、中国の高等中学(高校)で教えられている歴史の教科書では、孫文の言う「世界の潮流」とは「政治的民主化」という国際的な潮流を指すと記載されています。

これは、習近平氏が意図する「台湾統一」とは異なる意味になります。

中国のネットユーザーらは、「中国の高等中学に行ったことがある人なら、彼が笑いものになることを知っている」と投稿しています。

また、「彼は小学校しか卒業していないのに、こんな重要なことを言えるなんて。本当に高校に行っていないことがわかる」と皮肉を込めて投稿するユーザーもいました。

習近平氏は1953年に生まれました。習氏の教員によると1965年、習氏が12歳の時に中学に入学したが、翌年1966年に文化大革命が発生しました。その間、中国ではすべての学校授業が停止されました。

 
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