【仏軍事学校報告書レポート2】中共はスウェーデンを「試験場」に選んだ

フランス国防省管轄の政治研究機関が発表した報告書の中で、2018年頃に中共が「戦狼式外交」を広範に繰り広げて、スウェーデンを中共の試験場にしたと明らかにしました。

中共の駐スウェーデン大使、桂従友(けい・じゅうゆう)氏が9月24日に辞任したことが明らかになりましたが、スウェーデンメディアは同大使を懐かしむ人は多くはないと報じました。

桂従友氏は2017年にスウェーデン大使に就任しました。大使就任後、スウェーデンのジャーナリストやシンクタンク、政治家や政府までもを対象に恫喝を繰り返すなどして、その言動は何度も物議を醸しました。元大使の横暴な態度は、普段は手を取り合うことの少ない各政党が合同で、同大使の追放を要求するほど注目を集めていました。

桂従友元大使の在任中、中国とスウェーデンの関係は著しく悪化し、元大使も「戦狼式外交官」と認識されていました。

フランス軍事学校がこのほど発表した報告書『Les opérations d’influence Chinoises(中国の影響力作戦)』には、桂従友元大使が引き起こした騒動以外にも、スウェーデンはもっと深いレベルで中共政権から選定されていた可能性があり、その目的は、中共が世界各国に向けて横暴な態度をあらわにして、そのさらに攻撃的な戦略を事前テストすることだったとする、興味深い視点が記されています。

では、なぜ中共はスウェーデンを選んだのでしょうか。報告書には、以下のいくつかの理由が記されています。

一つ目の理由は、スウェーデンの国としての規模がちょうどよかったためです。小さな国で何かが起こったとしても、それが中共の脅威となることはないからです。しかし、実際にはスウェーデンには十分な影響力があり、少なくとも欧州には重要な影響を与えました。

二つ目の理由は、スウェーデンは世界の中でも自由と民主主義の保護に非常に高い意識を持った国だからです。例えば、国境なき記者団による報道の自由ランキングの中で、スウェーデンは毎回上位5位に入っています。中共はその対極にあり、常にワースト5位に入っています。スウェーデンは自由と民主主義の象徴であり、中共が攻撃したい「典型的な国」でもあるため、中共の目論見が成功したら、西側諸国の自由民主主義の基盤が揺らぐことになります。

三つ目の理由は、スウェーデンは中共の人権侵害を世界で最も多く非難してきた国だからです。この点において中共は、中共を批判するとどんな目に遭うかを世界に知らしめる必要がありました。

このほか、スウェーデンは一部の分野、特に5Gや電池産業、トラック製造分野などで中共のライバルでもあります。

また、中国とスウェーデンの間では過去に何度か摩擦も起きていました。例えば、中共がスウェーデン国籍で香港の書店経営者である桂敏海(けい・びんかい)氏を拉致した事件や、中共がスウェーデン人の人権活動家、ピーター・ダーリン(Peter Dahlin )氏を拘束して、強制的にテレビ出演させて罪を認めさせた事件などが挙げられます。

最後の理由は、スウェーデンがウイグル人やチベット人、法輪功学習者など迫害を受けている人々に対し政治的に保護している点です。また、2018年9月にはダライ・ラマが同国を訪問しました。これらの人々は中共が攻撃を行う主なターゲットとなっています。

報告書には、北京政府は二つの目的を掲げており、一つはスウェーデンを屈服させること、もう一つはその他の国、特に欧州諸国に警告のシグナルを発することだと記されています。しかし、中共が試みたこのテストは最終的には失敗に終わりました。スウェーデンは中共の圧力に屈せず、効果的な反撃に出たからです。

例えば、スウェーデンは欧州で初めて孔子学院を閉鎖した国でもあります。

さらに、中共の影響力に効果的に対抗できるよう、『中国戦略』を修正して議会に提出しました。

2020年10月には、スウェーデンの通信当局がファーウェイZTE (中興通訊)の同国の5Gネットワーク構築への参入を禁止しました。

スウェーデン政府は中共への警戒心を強めており、以前は中共を経済発展のチャンスとみなしていましたが、現在は国家安全保障上の脅威と考えています。

報告書には、スウェーデンの置かれた状況は中共が西側世界を探るためのトライアルであり、同様の問題を抱えている国にはほかにカナダや豪州、英国などが挙げられると総括しています。各国の状況はそれぞれ異なりますが、本質的には同じです。

また、スウェーデンの状況は中共の対外政策の転換を反映しています。つまり、人々からの友愛を勝ち取るための「友好的イメージ」を印象付ける以前の路線を、人に恐怖を与える「戦狼式」戦法に転換したのです。

報告書は、この戦法について反対を表明する国が増え続けているため、中共のこの戦略は失敗するだろうと結論付けています。

 
 

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