中共内部文書「河南司法システムの腐敗はあまりにもひどい」

中共が今年発動した政治キャンペーン「政法整風運動」はすでに2回目となり、中央監督指導部は改めて各地を調査しました。エポックタイムズが独占入手した河南省内部文書によると、司法システムの腐敗は相当深刻化しており、長年にわたり粛清が何度も行われているにもかかわらず、やればやるほど腐敗に拍車がかかっていることがうかがえます。

9月11日、中国全国政法チームが教育と粛清を開始し、16の中央監督指導グループが各地を訪問して、2月以来2回目となる政法整風運動を進めました。

中共は8月末に、全国第1回政法チームは、県・市レベルの政法指導者幹部万人以上を含む約18万人を教育、粛清して調査処分を行うと発表しました。

エポックタイムズが独占入手した内部資料によると、例えば河南省の河南商丘中級法院(裁判所)党組は2017年の第1回整風会議で、司法システム内の腐敗は「あまりにもひどい」と明かしています。2015年以降、市内の全法院の法律法規違反の事例が通報されました。会議では「市内の全法院の腐敗撲滅運動は非常に深刻な状況にあり、粛清せずにはいられない状態にきている。粛清しなければ大問題に発展するところまできている」との発言もありました。また賄賂や法律違反、案件をビジネスの種にする場合や当事者の争奪戦になる場合もあるほか、企業における投資の分配や、複数の女性と不適切な関係を持つといった事例も挙げられました。

評論家の李林一氏は、この文書によって中共政法システムの二つの秘密が実証されたとして「その一つは、政法システムの腐敗がすでに『粛清せずにはいられない』状態まで深刻化したことで、内部会議でももはやごまかせなくなっていること。二つ目は、中共は政法システムに対する粛清を2015年から2017年まで行ったのに、結果は腐敗に歯止めをかけられなかったこと」と分析しています。

エポックタイムズがこれとは別に入手した河南商丘市中級法院(裁判所)の2015年の「党風廉政建設内部会議」文書では、政法システムが商業経営に参与し、旅行や入浴、接待などの供応が非常に深刻になっていることが明らかにされています。中院党組は会議の席で、「獅子身中の虫が二級法院にまだ大量にいる」と認めています。

この文書には「陳という人物は…最低限の政治的鋭敏さが欠けている」と記してあります。また、第十八次全国代表大会が終わってから、中央は腐敗撲滅に強い圧力をかけており「もし現時点でも止められなければ…火に油を注ぐ行為の典型だ」とも指摘されています。

時事評論家の李林一氏は「この内部文書には真実が記されている。中共体制内部の腐敗官僚の一番の問題は腐敗ではなく、政治的鋭敏さが欠けていること、公然と法律違反をすることだ。言い換えると、中共の腐敗撲滅が打撃を与えているのは腐敗官僚ではなく、中央を重視していない腐敗官僚だ。もし中共官僚が『政治的に鋭敏』だったら火に油を注ぐことにはならず、腐敗は問題にならない」と指摘しています。同氏はまた、「中共は中級法院の廉政会議で、法律を適用せず政治的鋭敏さを使って交換の腐敗問題を裁こうとしている。これ自体が、中共政法システムのなかに腐敗に手を染めていない官僚がほとんどいないことを表している」とも述べています。

数年前の文書を見直すと、現在の状況とよく似ていることが分かります。第二十次全国代表大会を控えている中国政府は不安定な状況に置かれており、党メディアは頻繁に「鉄帽子王がいなければ、大夫を処罰できない」といったシグナルを発しています。さらに中央規律検査委員会は22日、政法委元書記の王立科の罪状を発表し、「党への忠誠を誓ったことがなく、理想とする信念を持ったこともない」と批判しました。これらはすべて中共上層部の内部闘争が激化したことの表れで、反習近平を掲げる江沢民派が暗闘を繰り広げるなか、習近平は今、政敵に鉄の拳を振り下ろそうとしています。

 
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