東芝大連工場が閉鎖 30年の歴史に幕

東芝インバーターエアコンや東芝洗濯機など、かつて東芝の家電製品は中国で一世を風靡し、同社は中国の家電の覇者と呼ばれていました。日系企業ではあっても、その名前は中国人の記憶に刻まれています。

東芝が1972年に中国市場に参入してから42年が過ぎました。自社事業の拡大を通じて、東芝は中国の発展に対しても大きく貢献し、エネルギー分野では東芝の火力発電や水力発電に関する技術や設備が、多くの発電所に採用されています。その他の分野では鉄道や電気、オートバイ部品のほか、さらに電子ユニットなどの製品も中国の発展に大きく寄与しました。

また、同社は2001年から、中国国内25か所で東芝希望小学校の設立を支援したほか、2008年からは優秀な理科教師の育成に着手し、科学技術を進歩させ、自主イノベーションの信条をサポートし、中国教育部と提携して理系師範学生の技能イノベーション大会を共同開催しました。

東芝の最初の生産センターが1991年9月に大連開発区に設立されてから、すでに30年が経過しています。しかし9月10日に「日経新聞」中国語版ウェイボー公式アカウントは、大連東芝が数千人規模の大会を開催して、9月30日に大連の工場のモーターとテレビ放送用信号送信機などの生産基地を閉鎖し、早ければ10月にも清算手続きに入ると発表しました。このほか、中国の24都市33か所の工場と開発機構はすべて12月末で閉鎖して開発機構と精密部品の製造は日本に戻し、電気製品の生産ラインはベトナムに移転するとしています。東芝はまだ専用用途とエレベーターの生産拠点を中国に残しています。

米サウスカロライナ大学エイキン校の謝田教授
「日本にとって、技術のアップグレードや戦略的投資移転の見地からみると、その使命はすでに完了したのだ。もう一つは、中国の人件費と環境コストが上がったことだ。中共はしばしばビジネスを政治化させるうえ、外資企業に党支部を設立させようとすることも日系企業には到底受け入れられないものだろう。さらに中国経済が後退し、中国市場にさほど大きな吸引力がなくなった。だから東芝の撤退は時間の問題だった」

あるネットユーザーは「多くの人がここで生活し、結婚し、出産し、その子供もここで働いている。青春時代を東芝に捧げたが、東芝は大連でいよいよ終わりを迎えた」と感慨深いコメントを投稿しています。

また別のネットユーザーは「東芝大連が生産停止を発表し、雇用がさらに縮小した。私は毎日日系企業に対する不満を口にしているが、彼らは正しく、規則を守っている」と投稿しています。

東芝大連工場はかつて、液晶テレビや医療設備などを製造し、現在は主に工業用モーターと電気機械と放送用送信機を製造しています。2010年のピーク時には2400人の従業員を抱えていましたが、現在は650人まで減っています。

実は、東芝の工場閉鎖は初めてのことではありません。2013年に大連テレビ工場が閉鎖されており、それ以降は中国での業績が悪化の一途をたどって赤字に転落していました。

2016年に中国家電メーカーの「美的集団(Midea Group)」が東芝の白物家電業務の株式の81%を購入したことで、同社は今後、東芝ブランドを40年間使用できるようになったほか、家電関連の特許5000件余りと、日本、中国、東南アジアの市場と販売チャネルと製造拠点も手に入れました。

また2017年に、中国家電大手の海信集団(ハイセンス)が東芝映像ソリューションの発行済み株式を購入し、東芝のテレビ関連機器の40年間のブランド使用権を取得しました。

謝田教授
「ブランドの価値はしばしば、工場の実体の価値よりも高くなる。中国の家電に東芝の名前を付けた場合、国際社会で承認されるだろう。東芝が中国に譲渡したのは特定の製品シリーズだが、次の技術にアップグレードされるころには、それらは役に立たなくなっているだろう」

東芝以外にも、中国は日本のパイオニアと三洋電機も相次いで買収しています。

9月10日、中国メディアの網易(ネットイース)は文章を掲載し、「ここ数年で、東芝以外にも日系家電ブランドの日立、パイオニア、パナソニック、シャープ、三洋電機といったブランドに買収や市場からの撤退、自主的な業務縮小などが起きて日系家電メーカーが軒並み業績不振に陥っている。我々も今、中国の家電ブランドの将来を考えるべきだ。いったいどこに向かってゆけばよいのだろうか」と述べています。

謝田教授
「中国の家電市場の供給側には問題はないはずだ。中国の家電メーカーはすべて学び終えたからだ。しかしその結果は、10年後になってようやくわかるだろう。中国の研究開発は十分ではない。中国の技術が後れを取った場合、中国はおそらく再び外資の参入を望むかもしれない」

このほか、日本政府は日本企業の中国撤退をサポートしており、日本政府は昨年、日本企業57社の中国撤退と、30社の東南アジアへの移転を支援しました。また早くも2019年に、東芝が59億ドルを投じてベトナムで土地を購入して工場を建設し、ベトナム人8万人余りを雇用すると報じられています。

このことからも、日系企業は中国市場への依存から脱却し、産業チェーンの再構築計画が進行中だと分かります。

また、日本とベトナムは国家安全保障分野で密接に連携しています。両国間の協力関係を強化し東南アジア地域での中共勢力の拡大に対応するため、9月11日に両国は、日本からベトナムへの日本製国防関連製品と技術の輸出許可に関する協定に調印しました。

中共外交部の王毅外相は9月10日にベトナムを訪問した際、南シナ海問題を複雑化、拡大化しないよう警告しました。

王毅外相のベトナムへの警告と、東芝のベトナムへの移転によって、ベトナムに焦点が当てられています。ベトナムは今、各国企業が参入を望む新たな場所となっています。

 
 

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