ニューヨーク市 米国初のワクチンパス義務化 市民らが抗議

ニューヨーク市は8月3日、レストランやバー、スポーツジムなどの屋内施設を利用する際にワクチン接種証明の提示を義務付けると発表しました。接種証明の義務付けは、全米の都市では初めてとなります。これを受け、8月5日、この措置に反対する市民らがニューヨーク市庁舎前に集まり、抗議を行いました。

接種証明の義務付けは8月16日から段階的に導入されます。5日、ニューヨークでは市民らが反対集会を行いました。抗議者らは、今回の規制措置は小規模事業者にとって壊滅的な措置であり、多くの顧客を失うことになると訴えています。

元経営者 ブライアン・フォックス氏
「ワクチン接種を受けていない顧客はレストランやバーに入れなくなるし、逆に接種を受けた人でこの措置に反対する人は、この政策によってローカルビジネスをサポートしなくるだろう」

小規模事業を経営するビッキー・パラディーノさんは、事業者に顧客の自由を制限することを義務付けることで、社会を分断しており、これは現代の人種隔離政策であると指摘します。

元経営者のビッキー・パラディーノ氏
「徹底的な破壊だ。これは現代の隔離政策だ」

ニューヨーク市長選の共和党候補であるカーティス・スリワ(Curtis Sliwa)氏は、この措置は現行の法律に沿ったものではないと述べています。

共和党NY市長候補者 カーティス・スリワ氏
「米国人には神聖な特権があり、投票の際に身分証明書を提示しなくてもよいと言われている。しかし、バーやレストランに入るのに身分証明書を見せないといけない」

記者
「バーやスポーツジムなど、街の良いところを楽しむためには、ワクチン接種しなければならない。ニューヨーク市長がそう言っています。 多くの米国人がすでにワクチンを接種しています。だからと言って、人々がこのような厳しい管理に賛成しているわけではありません。実際には、ほとんどの人はワクチンパスポートに反対しています」

ハーバード大学をはじめとする複数の学校が行った全国調査では、ワクチンパスポートを支持する人は27%にとどまっています。

ニューヨーク市ではデルタ変異株の感染者数が増加傾向にあるものの、流行のピーク時と比較すると程遠い状態です。 人口約850万人のニューヨーク市で、流行のピーク時の1日の死亡者数が800人を超えていましたが、現在は1日7人前後に減少しています。

 
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