中国の不動産市場に起こりうる二つの大変化

中国の中央銀行は先日、意外にも銀行預金利率の引き下げを発表しました。これは中国経済が今も疲弊しており、中国経済の柱である不動産業に大きな変化が起きて、不動産市場の黄金時代は今、終焉に向かっていることを示していると考えられています。

中国不動産市場の情勢が最近になってまた注目を集めています。7月11日、武漢の不動産仲介業者がソーシャルメディアに動画を投稿し、「武漢の中古不動産市場で買い手が減少し、供給と供給のバランスが取れていない」と述べています。

武漢の不動産仲介業者
「武漢で先月、中古不動産物件が何件売れたかみんな知っているか?インターネットに公開された6月分の成約件数は2642件で、一日当たり100件未満だった。だが今の売り物件の数は10万6954件で、これはチェックされたデータしか入っていないので、実際の数は約20万件だ。最近深圳を賑わした仲介業者の倒産の嵐を思い出してほしい。今の市場がどれほど落ち込んでいるか想像できるだろう」

この仲介業者が明かしている武漢と深圳の不動産市場の状況は、中国全体の不動産市場の縮図と言えるかもしれません。中共当局も、不動産業界は中国経済最大の「灰色のサイ」である、つまり高い確率で大問題を発生させるのにあまり重要視されていないのが不動産業界だと認めています。現在、どんな問題が起きようとしているのでしょうか。

中国の著名な実業家、曹徳旺(そう・とくおう)氏は、昨年末に中国メディアの取材を受けた際に、「将来の不動産価格の上昇はすでにサポートを失っている。余分な不動産を抱えている人は一刻も早く処分すべきだ。でなければ貸すことも売ることもできなくなるだろう」と語っています。

このときに曹徳旺氏の話を真に受けなかった人もいましたが、現在の不動産環境を詳細に分析すると、すべてが曹徳旺氏の言ったとおりになっていることを認めざるを得ません。

中国のポータルサイト「網易(ネットイース)」が手がけるは「網易新聞(ネットイース・ニュース)先日、2021年に中国の不動産市場に2つの大変化が起きると報じました。

一つ目の大変化は、不動産市場に対し中共が未だかつてない金融引き締めを行っています。例えば、「三つのレッドライン」を設置して、不動産企業への融資額を制限するなどです。

その次に、各銀行に貸付限度額を設定して、不動産貸付に対し限度額を設けると規定することです。また今年上半期にはさらに、中国の銀行はすでに中古不動産市場への融資を基本的に停止したとも報じられました。

二つ目の大変化は、2021年に中国不動産市場が「供給過多」と「手が届かないし売りさばけない」という二重に苦しい状況に追い込まれてしまったことです。「供給過多」の理由は、新築不動産の在庫と中古不動産の掲載件数が激増した一方で、庶民のニーズが相当減っているためで、「手が届かないし売りさばけない」理由は、不動産購入意欲のある顧客がおらず、高止まりしている不動産市場に対しなすすべがないためです。不動産所有者が現金化しようとしても値下げはしたくないため、売り物件に「価格はあるのに市場がない」という状況が生まれています。しかしながら、このような状況は長続きしない可能性もあります。供給過多から生じる最終的な局面によって、やはり不動産価格が「値下げルート」に入ると思われるためです。

現在の不動産市場では今も「物件不足」や「価格の値上がり」が普通に存在するため、腑に落ちない人もいるはずですが、網易新聞(ネットイース・ニュース)はその理由を、「そのようにしなければ不動産の購入意欲を刺激して、人々を不動産市場に引き付けることができないからだ」と分析しています。

前述の二つの大変化を分析すると、不動産価格に対する曹徳旺氏の予言は本当に的中していることが分かります。つまり現在、当局が金融引き締めを行っても、需給関係に変化が現われたとしても、不動産価格の上昇がすでにサポートを失っていることを示しています。

不動産業は中国経済の基幹産業として位置づけられており、100以上の関連業界の盛衰にも関わっています。また、中国不動産市場関連のローンは銀行の貸付の4割を占めており、不動産業界と金融業界はかなり前から一蓮托生(いちれん たくしょう)の関係にあります。不動産市場が冷え込むと中国経済に雪崩が起きる可能性があるため、徐々に近づいてくる「灰色のサイ」にどのように対処するかが、中共政府が直面している試練であることは間違いありません。

 
 

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