「風前の灯火 香港の報道の自由」国境なき記者団

香港当局が1年前に国家安全維持法を施行して以来、報道の自由は急速に悪化しています。非政府組織(NGO)「国境なき記者団」は、香港は未だかつてないほど深刻な状況だと述べています。報道をご覧ください。

国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」の分析によると、香港では今後数年の内に、自由な報道が全く存在しなくなる恐れがあるといいます。

1年前、中国共産党は、警察があらゆる反体制派を逮捕することができる国家安全維持法を香港に課しました。

国境なき記者団 東アジア総事務局長のセドリック・アルヴィアー二氏
「香港の惨状は過去最悪だ。香港の報道の自由は、風前の灯火だと言える。なぜなら、既に1年も際限のない攻撃が続いているからだ」

香港の民主派新聞「蘋果日報(アップルデイリー)」の創設者ジミー・ライ氏が2020年8月に逮捕されました。蘋果日報の記者をはじめ、他のジャーナリストたちもこの一年で逮捕されました。

他にも今年4月には、香港大紀元の印刷工場が襲撃される等の事件が起きています。

セドリック・アルヴィアー二氏は、主要な独立系報道機関であった蘋果日報が閉鎖されてしまった以上、中小の独立系報道機関も続々と閉鎖されていくだろうと述べています。

国境なき記者団は、蘋果日報が資産凍結されたことを受け、国連に早急な対応を要請すると共に、国際社会へも介入するよう働きかけています。

国境なき記者団 東アジア総事務局長のセドリック・アルヴィアー二氏
「民主主義諸国は(この問題に)関わらず、中国(共)や香港当局に圧力をかけていない。私が言う圧力とは、公に非難するだけでなく、彼らに打撃を与え、制裁を行い、実際に彼らを後悔させることだ。もし民主主義がそれを怠るなら、香港の報道の自由は、今後数年で確実に消滅するだろう」

またアルヴィアーニ氏は、報道の自由がなければ、人々は自分の人生や将来を決定することが出来なくなると語ります。

国境なき記者団 東アジア総事務局長のセドリック・アルヴィアー二氏
「そうなると、人々はもはや市民ではない。人々は国家に従属する存在となる。人々は、自分の運命を決定することが出来なくなる。周囲の状況を変えることが出来なくなる。人々は、犯罪や人権侵害を認識出来なくなる」

〈字幕版〉

 
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