中国人奴隷労働者の血と汗と涙を食い物にする一帯一路計画【禁聞】

中共の一帯一路計画は、貧しい村を出身地とする無数の農民工の血と汗と涙の上に成り立っています。中国の建設業界の成長が伸び悩む中、多くの労働者が海外に活路を見いだしていますが、5月1日のメーデーの際に、一帯一路海外プロジェクトが、パスポートを取り上げる、労働を強要する、詐欺的な契約締結、脅迫や威嚇といった手段で中国人労働者を奴隷同様に扱っていることが明るみに出ました。異国の地で命を落とした労働者もいますが、調査されることはありません。報道をご覧ください。

ニューヨークに本部を置く人権団体「中国労工観察(China labor watch)が2020年8月から今年4月にかけて、アジア、中東、アフリカの一帯一路参加国と地域から8か国を選んで100人近い中国人労働者を対象に調査を行いました。発表された報告書には、一帯一路プロジェクトの中で悲惨な状況に置かれている中国人労働者について詳細に記されています。

報告書には、中国人労働者は詐欺的な契約によって海外の仕事に従事することが決まると、海外の中国企業からパスポートを取り上げられる、行動を制限される、残業、給料の未払いといった劣悪な労働環境におかれることや、病気やケガに見舞われても治療を受けられないほか、苦情を訴えたり権利を主張したりすることのできる仕組みもなく、異国の地で亡くなった人も多いといったことが記されています。

特に中共ウイルスのパンデミック発生後は状況がさらに悪化し、現地企業がフライトポリシーやPCR検査などを理由に、中国人労働者の帰国を制限し、さらに医療支援を受ける権利まで剥奪したといいます。

報告書にはこうした事例が数多く記されています。アルジェリアで働いていた鄭さんは、中国建築第二工程局有限公司のもとで配管作業を行っていました。アフリカに到着すると、パスポートは武漢林夕(りんせき)建築公司に取り上げられ、週7日、1日10時間勤務を強いられても、月収は中国国内水準にも満たない5000元から6000元(約8万4000円~10万1000円)でした。仕事を辞める場合は3万元(約50万円)の違約金を支払わなければならないため、一部の労働者は早くそこから抜け出すために半年間無給で働いていたといいます。

鄭さんは、会社が用意したのは就労ビザではなく商用ビザだったため、現地では政府機関に登録ができず、社長が現地職員を買収して帰国の飛行機に乗ることができたと明かしています。

こうした例は報告書の中で枚挙にいとまがありません。

インドネシアに亡命した丁さんは、2019年の春に飛行機に乗って徳龍ニッケル工場(Virtue Dragon Nickel Industry、VDNI)に向かったことを今でも後悔しています。彼を待ち受けていたのは175日間休みなしの労働でした。さらに、自分が罪を犯したことを認めるよう誘導されると10か月もの間、違法に監禁されたうえ、パスポートを取り上げられ、逃亡を続けるしかない日々を送っています。

丁さんは、「つまり悪魔と取引をしたのだ。パスポートを取り上げるのが主にインドネシアに40社ある中国企業の手口だ。世界中の領事館のホットラインに電話して助けを求めても誰も取り合ってくれない。中共インドネシア大使館の孫という主任は、『大使館の人間も同じくパスポートを納めている』という。ばかげた話じゃないか」

「誰であろうが共産党のまな板の上に置かれた肉の塊だ。食中毒や交通事故をあなたに用意するのは普通のことだ。徳龍の作業報告を読んだところ、昨年のフルタイム労働者の死亡者は10人で、派遣契約労働者の死亡者数はもっと多かった。胃潰瘍で痛みに苦しみながら死んだ人もいた」と語っています。

丁さんは、インドネシアに長い間滞在していると、人が死んでも心が揺れなくなったと言い、党が吹聴する一帯一路の功績の話を耳にするたび、毛沢東時代に紙面を賑わした「1ムーあたり10万斤の収穫」という荒唐無稽な話を聞いているようだとも語っています。

中国労工観察の李強(り・きょう)さんはラジオ・フリー・アジアの取材に対し、一帯一路プロジェクトは強制労働のほかにも人身売買に関わっていると明かしています。公開データによると、海外労働者の数は毎年約100万人と言われていますが、実際の数は控えめに見ても300万人はいるとみられ、多くの労働者が正規の労働ビザを持っていないと考えられます。

李強さんは「中国(共)政府が自国の国民のことも気にかけないのなら、他国の利益のことを気にするわけがない。国際社会全体が中共の本来の意図を疑うことになる。世界が貧困から脱却するのをサポートするためには、まず労働者の合法的権益を保証しなければならない。最も深刻な件はパスポートを取り上げ、自由を制限していることで、これも中国の『パスポート法』に違反している。彼らは帰国を望んでいないのだという報道を見たが、私の知っているところによると、海外で働く労働者は帰国したいのに、その多くが3年も帰国できずにいる」と話しています。

中共の情報統制によって、一帯一路の裏側にある血の債務は存在すらしていないように扱われています。中国人労働者は今も次々と世界各地に送られ、悲劇が繰り返されています。

 
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