テスラの走行データ公開で新華社は赤っ恥?【禁聞】

上海モーターショーに現れた女性がテスラの展示車両にのぼって性能に問題があると抗議した事件は、今回のモーターショー最大の見せ場となりました。新華社と中共政法委員会もその後、テスラへの攻撃に加わりました。この攻撃の背後には何らかの政治的目的があるのでしょうか。4月22日にテスラ社が事故発生30分前のデータを公開したのは、自社を守る必要性を感じていたからでしょうか。

4月19日、テスラ社に乗っているという女性が上海モーターショーで大騒ぎする事件が発生しました。女性は展示車両の上にのぼると「ブレーキが効かない」などと大声で叫びました。その後、中共の官製メディアや政法委員会などの政府機関もテスラへの攻撃を開始しました。

テスラ社は女性の抗議に対し、バックグラウンドデータによるとブレーキをかけた時は時速118.5kmで走行しており、ブレーキ性能に異常は見当たらなかったと回答しました。しかしこの回答に中共は満足せず、テスラに対しデータを提出するよう求めました。

4月21日深夜、テスラ中国はウェイボー公式アカウントを通じて、すでに鄭州市市場監督管理総局に連絡し、メーカー評価機関、政府指定の技術監督管理部門と車の持ち主に協力を仰いで、関連車両の事故発生30分前の走行時生データを提出したと発表しました。

このテスラ車の走行データによると、運転者は事故発生30分前、車両を正常に運転しており、ブレーキペダルを40回以上踏んだ記録があったほか、車両が複数回にわたり時速100kmを越えたときにブレーキが複数回踏まれていたことが分かりました。つまり、ブレーキは正常に使用されていたということです。

米国在住の時事評論家、唐靖遠氏
「テスラが公開したデータが平手打ちを食らわせたのは、嘘をついてゆすりを行おうとしたこの女性だけでなく、山のようにいる小粉紅(中国版ネトウヨ)と中共の政府系メディアだ」

中国の一部メディアはいまだに、テスラはデータを改ざんした疑いがあると報じています。米国在住の時事評論家、唐靖遠氏はこれが中国の典型的な世論審判だと指摘しています。

唐靖遠氏
「テスラがデータの改ざんを行ったのか否かは、メディアの憶測に基づくのではなく、しかるべき第三者機関に検査結果を使って事実に基づき説明してもらう必要がある。そうすれば結論を出してくれるだろう」

テスラが公開したデータによって同社に不利な世論を一時的に巻き返すことはできますが、唐靖遠氏はこの件はまだ終わっていないと指摘しています。

唐靖遠氏
「このテスラの事件は、表面的には消費者の抗議だったが、実際には中共のプロパガンダ部門が介入したために、事件全体の性質が変化してしまった。この件は中共が一種の置き換えを行って、中国人に米国敵視思想を植え付けるための宣伝攻撃を仕掛けたのだ」

評論家は、今回の事件は中共が自国の電気自動車産業を発展させたいがために、このチャンスを利用してテスラを貶めたもので、政府が故意に外国企業の評判を落とそうとしているのだと考えています。

台湾の経済専門家、呉嘉隆氏
「市場を使って技術を手に入れる。現在は電動自動車にそれを使っている。その後、今度は国の補助金を使って自国の企業を支援する。これも不公平な貿易に該当する。その後技術が一定レベルに達したら、相手を脅して基幹技術を提供させ、相手を追い出す。同時に中国自身が生産した製品を輸出して外国企業と競争させ、市場シェアを奪う。市場シェアを奪うこうした一連の行為は、中国モデルと呼ばれている」

台湾の経済専門家、呉嘉隆(ご・かりゅう)氏は、中共はテスラが基幹技術を差し出すまでテスラを悩ませ続けるだろうと考えています。

呉嘉隆氏
「テスラが市場スペースを明け渡して撤退するか、あるいは基幹技術を差し出すまで彼らはテスラを悩ませ続けるだろう。基幹技術を手に入れたとしても、将来的にはやはりテスラを追い出すだろう。このやり方は、中共が他の外国企業に対して講じる手段とよく似ている」

唐靖遠氏
「中共はこれらの外資企業に対し、剽窃やコピーを行って、最後にはそれにとって代わる。この三部作はテスラも例外にはならないだろう。ではこのような状況においてテスラはどうすれば自社を守れるのか。目の前にいるのは中共の国家プロパガンダ機関だ。このプロパガンダ機関を法廷で訴えることはできない。法廷や裁判所も中共のものだからだ」

あるネットユーザーは、「中共の顔認証システムの天網システムはこんなに強大で、交通網の監視システムも完璧なのだから、警察部門に照合してもらえばいいのではないか。それでもしテスラのデータが正しければ、今度は車の持ち主が釈明する番だ」と投稿しています。

 
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