ミシガン州でアジア系米国人への差別・偏見に反対する集会

アジア系米国人に対する暴力事件が急増していることを受け、ミシガン州の市民が抗議の声を上げています。主催者は、アジア系米国人への差別に対抗するため、ミシガン州の州都ランシング市で集会を開きました。ミシガン州の上院議員はアジア系米国人が直面している問題についてNTDに語りました。

4月3日、ミシガン州ランシング市で州議会議員、アジア系米国人、その他のコミュニティの人々が集会に参加しました。アジア系米国人に対する偏見と差別に対する抗議行動を組織したのは、政治団体Michigan Conservative Chinese Americans(ミシガンコンサバティブチャイニーズアメリカンズ)です。彼らは、アジア系米国人は高等教育などの分野で、不当な扱いを受けていると主張しています。

共和党上院議員 ジム・ルネスタッド氏 ミシガン州第15上院地区
「アジアンコミュニティは、最近で最も深刻な被害を受けている人達だ。彼らは資格があるにもかかわらず、大学の学位を取得できないと言われるのだ。一生懸命勉強してきた人々、貧困の中から学びに来た人々は、このために勉強してきた。しかし、『肌の色や民族性を理由に、学位を与えることは出来ない』と言われるのだ」

アファーマティブ・アクション(積極的差別解消運動)反対派が黒人やヒスパニック系の学生の定員を増やすとするハーバード大学の入学方針に反対する訴訟を最高裁に提起したことを受け、今回の集会が行われました。訴訟の支持者の一人は、ハーバード大学がアジア系米国人を差別していると訴えました。

集会では、アジア人差別に対する戦いは超党派の戦いであり、米国の戦いであると宣言されています。ミシガン州共和党のマイケル・マクドナルド上院議員は、この集会を支援する理由を説明しています。

共和党上院議員 マイケル・マクドナルド氏 ミシガン州第10上院地区
「私はアジア系米国人のコミュニティを大いに支持しているが、それは私の選挙区が非常に多様性に富んでいるからだ。アジア系米国人に会ったことのある人ならわかると思うが、彼らは最も勤勉で、才能があり、知的な人々だということを話したいと思った。そして、私たちが彼らをサポートしていることを皆に知ってもらいたいと思っている」

この集会は、ニューヨークでアジア系米国人の高齢女性が男に襲われた事件からちょうど1週間経った後に行われました。

カリフォルニア州立大学の研究センターによると、アジア系米国人に対する暴力事件は2020年に前年比で145%以上増加しました。あるインド系移民は、暴力や一部のメディアの報道の仕方について自らの見解を語ってくれました。

ヒマ・コラナギレディ氏 コミュニティ紛争解決センター(CDRC)会員

「ほとんどの中国人やアジア人は、言語が大きな障壁となっているため、この問題について訴えることが出来ない。彼らは口にせず、ただ我慢している。そして今、メディアがやろうとしていることは、「トランプ前大統領がコロナウイルスを中国ウイルスと呼んだから、人々が中国人を攻撃している」ということで、これは政治的な情報操作だ。アジア系米国人を攻撃することは最近起きたことのように思われているかもしれないが、実際30〜40年前からずっと問題になっていたようだ」

非営利団体コミュニティ紛争解決センターは、いかなるコミュニティへの憎しみも、米国には存在してはならないと強調しました。

 
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