米南西部国境が危機的状況 国土安全保障省が支援を要請

米国土安全保障省(DHS)は米国とメキシコの国境に押し寄せる移民の大群に対処するため、税関・国境警備局への支援を要請しています。バイデン大統領は危機的状況は存在しないと主張していますが、国土安全保障省のアレハンドロ・マヨルカス長官はスタッフ支援を要請しています。

マヨルカス長官は、スタッフに国境警備での支援を求めるメールを送りました。マヨルカス氏は、「夥しい数の移民」が国境を越えて米国に入ろうとしているため、南西部国境地域は「押し寄せる移民の波」に直面していると述べています。

バイデン氏は就任初日に大統領令に署名し、トランプ政権時代の移民政策を幾つも覆し、1100万人の不法移民を合法化したいと述べています。専門家は、バイデン政権の移民政策は移民を惹きつけ、火に油を注いでいると指摘します。

ビセンテ・ゴンザレス下院議員/テキサス州(民)
「中米や全世界に向けて、そのようなメッセージを送ったのであれば、早晩、何万人もの人々が米国境に押し寄せて、破滅的な事態になることは疑う余地がない」

米移民税関執行局(ICE)の元局長トーマス・ホーマン氏は、バイデン氏は米国全体を法が及ばぬ聖域に変えたと述べています。また移民たちも、国境を越えてしまえば強制送還されないことを知っていると語っています。

国境警備隊の報告によると、昨年同時期に比べ、今年の事件の件数は80%も増えているといいます。

テキサス州は密輸の動きを阻止するために、州兵を国境に派遣しています。国境での活動を支援する国土安全保障省のスタッフは、ボランティアとして人道的支援活動を行う予定です。

一方、バイデン大統領は、国境に危機的状況は存在しないとし、「我々はこの問題に対処できる」と述べています。

 
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