中共「海警法」施行で南シナ海に圧力 日本「武器の使用も排除しない」

中共の「海警法」が2月1日に施行されたことに伴い、中共はインド太平洋地域で軍事拡大を続け、軍用機と軍艦を同地域に派遣して南シナ海、渤海、黄海、東シナ海で軍事演習を行いました。これにより南シナ海情勢が悪化し、台湾だけでなく日本にも脅威を与えています。海上保安庁関係者は「国際法で認められている範囲内で、法に従って武器の使用を排除はしない」と述べています。

日本側は先日、中共の沿岸警備船4隻が尖閣諸島付近に侵入し、うち一隻は機関砲とみられる武器を装備して日本の漁船への接近を試みたとして中国側に抗議しました。日本の海上保安庁関係者は「国際法で認められている範囲内で、法に従って武器の使用を排除はしない」と述べ、日本と中共の関係に再度緊張が走っています。

中華民国外交部はメディアに対し、この件について大きな関心を寄せていると発表しました。

中華民国外交部 欧江安報道官
「1月末の海警法の可決以降、中国(共)は大量の中国(共)海警船を派遣し、大型兵器を釣魚台海域に持ち込んで、他国の舟を追い払っている。我々は当然、非常に注目し、強い関心を寄せている」

「中国(共)は我々の防空識別圏に侵入して台湾海峡の境界線を越え、海警法も可決させた。その後、自分で定めた領海の中でその他の国の船に圧力をかけている。このような侵入行為に非常に憂慮している。我々は、このようなことをすればこの区域に不安定要素をもたらすだろうと確信している」

ある台湾の専門家は以前に、中共の海警法は中共がよくやる単方向の「サラミスライス戦略」を実践するためのもので、現状を破壊してから「いじめ」を「合法化」するつもりだと分析しています。

台湾中山大学アジア太平洋地域研究所の郭育仁氏
「(第二段階の)継続的行動が新たな現状を作っている。第一段階が現状の破壊、第二段階が新たな現状の構築、第三段階が『合法化』だ」

台湾国防安全研究院戦略・資源所長の蘇紫雲氏
「だが、この『合法化』は北京政府の念頭にしか存在しないものであって、他国から見れば違法行為だ」

台湾の中山大学アジア太平洋地域研究所の蘇紫雲(そ・しうん)氏は、いわゆる「合法化」を行って周辺諸国に圧力をかけるという中共の行為に対し、トランプ政権は早くから大規模な沿岸警備隊の大型フリゲートを同地域に派遣して支援を展開していたと指摘しています。

日本側が抗議した翌日、米国海軍第七艦隊はフェイスブックに、米国海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦USS ラッセル号(USS RUSSELL,DDG-59)がその日、南シナ海の南沙諸島を航行中に、中国大陸、ベトナム、台湾の「無害通航」の制限に挑むことによって、国際法で認められた海上航行自由権を守ると投稿しました。

第七艦隊は、南シナ海で行われている違法かつ広範囲な海事面での利益の追求は、海洋における航行と飛行の自由に脅威をもたらすだけでなく、自由貿易や円滑な商業活動、南シナ海沿岸諸国の自由経済にとっても脅威だと述べました。

さらに、米国は航行の自由という原則を堅持し、国際法で認められた範囲を超える権利を主張する国がある限り、米国は海洋におけるすべての人の権利と自由を守るとしたうえで、国際社会の誰であっても、権利と自由を放棄するよう他人に強制するべきでないとも述べています。

米国務省は同日、ブリンケン国務長官が日本、豪州、インドの外相とオンライン会談を行った結果、「クアッド(QUAD)」の枠組みをインド太平洋地域における戦略協力において推進すると発表しました。これは一般に、アジア版NATOと呼ばれ、インド太平洋地域における中共の軍事的・経済的拡大戦略に対する重要な制御・均衡力とみなされています。

バイデン大統領は以前に、新政府が中共と制御・均衡を取る手段は、同盟国との緊密な協力になるだろうと強調しています。

ラッセルに加え、2月5日には米軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ジョン・S・マケインが南シナ海の西沙諸島海域に入ると台湾海峡を抜けて、「中共を抑制し台湾を支援する」というシグナルを発しました。

中共軍は1月末以来、南シナ海、渤海、黄海、東シナ海で軍事演習を行っており、南シナ海海域の情勢を悪化させています。
一方、米軍のミサイル駆逐艦ルーズベルトと航空母艦ニミッツを中心とする空母打撃群は、2月9日に南シナ海で軍事演習を行いました。

また米国、豪州、日本も2月10日からグアムで9日間の合同演習を実施しました。