バイデン氏のエネルギー政策に批判が集中 共和党議員は同政策を覆すことを望む

バイデン政権が導入したエネルギー政策は強く批判されています。キーストーンXLパイプライン計画の中止は、米国の労働者の雇用を失わせ、環境にも良くありません。この中止の反動は近い将来、エネルギー価格の変動として現れるかもしれません。現在、両党の議員は左翼が全力で促進するこの協議事項を阻止するために行動を起こしています。

ケンタッキー州コリンス市の22歳のパイプライン建設作業員カーター・ノックス氏は、昨年1月に中共ウイルスの流行で停止されていた作業が、この春には再開できると期待していました。しかし、待っていたのはバイデン政権によるキーストーンXLパイプライン計画撤回の大統領令でした。

ケンタッキー州の4代目パイプライン作業員/カーター・ノックス(Carter Knox)
「家族経営なんだ。父も祖父も曾祖父も、同じ仕事をしていた。それは私たちの血の中に溶け込んでいるのだ」

キーストーンXLパイプライン計画では、カナダから米国のテキサス州の石油精製施設まで、日量80万バレルの原油を輸送する予定でした。業界の試算では、計画中止による直接的な雇用損失は約1万1000人で、賃金の損失は16億ドルから22億ドル(約1688億円〜2322億円)に上るといいます。

バイデン政権がキーストーンXLパイプライン計画を中止した主な理由は環境破壊ですが、気候変動論を支持する民主党のジョン・テスター(Jon Tester)上院議員でさえ、2月2日のCNNのインタビューで「キーストーンXL計画は良いプロジェクトであり、中止しても気候変動にほとんど影響を与えることは出来ない」と認めています。

エネルギーの専門家で作家のアレックス・エプスタイン(Alex Epstein)氏は、現代の環境運動は、人間にとってより良い環境を作ることではなく、どんな犠牲を払っても人間の活動を減らすことにあると考えています。また、左翼が提唱しているグリーンエネルギーは、実践を通して失敗していることが証明されたと指摘しています。

エネルギーの専門家・作家/アレックス・エプスタイン
「グリーンエネルギーは世界中で失敗している。私が住んでいるカリフォルニアでは失敗した。 英国では、グリーンエネルギーの応用が暖房費の大幅値上げを招き、ドイツでは電気料金が20年で2倍になった」
原油輸送分野に関する2014年の議会調査報告書によると、鉄道、道路、水路、原油パイプラインの4つの輸送方法のうち、パイプライン輸送コストは、鉄道輸送よりも、原油1バレルあたり5ドルから10ドル安いといいます。業界関係者は、このようなコスト上昇が半年以内にガソリンや公共料金に反映される可能性があると予測しています。

ケンタッキー州の4代目パイプライン作業員/カーター・ノックス(Carter Knox)
「重要な問題は、多くの議員が鉄道業界やトラック運送業界に買収されてしまったことだ」

一部の共和党議員は、バイデン大統領の決定を覆そうとしています。上下両院から2人の共和党議員(上院スティーブ・デインズ議員と下院ケリー・アームストロング議員)が「キーストーンXLパイプライン建設・雇用保全法(Keystone XL Pipeline Construction and Jobs Preservation Act)」と呼ばれる新法案を提出しました。米・カナダ国境沿いのパイプラインプロジェクトの建設・運営の継続が望まれており、現在、この法案は百人以上の共和党議員によって支持されています。

 
関連記事