台湾の研究者が台湾をめぐる今後の米中関係について懸念

バイデン大統領の対中路線を推察するには、台湾や香港問題に対する米国の姿勢を見るべきだと考えられます。台湾の国策研究院が1月21日に台北市で開催したフォーラムで、ある研究者はインド・太平洋諸国はバイデン政権がトランプ前大統領のインド・太平洋戦略パターンを継承することを望んでいるが、米国は戦略的には「柔軟な封じ込め政策」を取るのではないかとの見方を示しました。またある研究者は、米国が今後、台湾をインド・太平洋戦略の枠組みに含めるのか、それとも米中関係の一部として処理するのかという点を見極めなければならないと指摘し、国会議員も重要なリスクについて問題提起しました。

バイデン大統領は、国務長官、国防長官、国土安全保障長官、国家情報長官、財務長官の閣僚を指名し、19日の公聴会で中共への強行姿勢を示しました。一方、台湾議会のシニア外交メンバーは別の見方を示しています。

台湾立法院外交国防委員会招集委員 王定宇氏
「だが我々は、米国が今後の4年間の間に外交面や軍事力の面で弱体化するかどうかを観察し続けなければならない。もしこのテーマについて我々が観察し続けなかったら危険だ。このテーマが真実だったとしても危険だ」

王定宇(おう・ていう)氏は、バイデン大統領の最初の2年間は疫病に対処し、大統領選で生じた両陣営の対立問題に対処するため、内政を重視する可能性があると考えています。
バイデン政権の5人の閣僚の様子から、ある研究者はバイデン大統領は恐らくトランプ前大統領のインド・太平洋地域戦略を踏襲する可能性があるが戦術面は異なるだろうとしたうえで、バイデン氏は中共に全面的に対立することはできないだろうが、オバマ大統領の取った宥和政策に戻ることもないのではないかと現時点では判断しています。

台湾シンクタンクコンサルタント委員 賴怡忠氏
「バイデンは徹頭徹尾、インド太平洋という言葉を口にしたくはなかった。(そのため)特にQUAD(インド・日本・豪州)諸国は密かにバイデンチームに対しずっと、トランプ前大統領のインド太平洋戦略を踏襲することを望んでいると(いうメッセージを)発していた」

研究者の賴怡忠(らい・いちゅう)氏は、バイデン大統領のホワイトハウス国家安全保障会議は、もともとは「中国問題コーディネーター」の設置する予定だったが、その後「インド太平洋問題コーディネーター」を設置したと伝えられていると指摘したうえで、そのポストに2018年に民主党陣営でトランプ大統領の対中戦略に最初に呼応したキャンベル氏が就任したことを挙げ、その理由についてインド太平洋諸国が不満と期待を抱いているからだろうと指摘しています。

台湾シンクタンクコンサルタント委員 賴怡忠氏
「トランプ前大統領は(2018年に)米国の国家安全保障戦略を変更したが、特に対中戦略を変更した時、民主党をバックグラウンドに持っているのにそこから飛び出して戦略変更に対する支持を最初に表明したのがキャンベル氏とエリー・ラトナー(Ely Ratner)氏だった」

賴怡忠氏は、バイデン路線の発展については、チーム内のキャンベル氏の地位と、バイデンが今後発表する戦略文書を見極める必要があると指摘しています。

キャンベル氏は2019年9月にバイデンチームの国家安全保障顧問のサリバン氏と共同で発表した声明の中で、中共の脅威はソ連を上回るとしたうえで、接触政策によって中国を変えようとするアプローチはすでに終了したが、冷戦のロジックと封じ込め政策の推進は主張せず、米中関係は「チャレンジでもあり共存でもある」と述べています。

もう一つの重要な点は、トランプ前政権が台湾をインド・太平洋戦略の枠組みに組み込んだことです。賴怡忠氏は、バイデン大統領が台湾をインド・太平洋戦略に組み込むのか、それとも米中関係の一部として指導するのかについて、もし米中関係の一環とするのなら、米台(べいたい)関係は非常に苦しいものになるだろうと考えています。

台湾国防安全研究院戦略・資源所長 蘇紫雲氏
「(トランプ政権は)辞任前にインド・太平洋戦略の枠組み文書を30年繰り上げて公開した。私は今後(バイデン政権)は『限定的戦略が明確になる』と考えている。いわゆる柔軟性のある封じ込めだが、私は7割の軍事、3割の科学技術・貿易となると思う」

蘇紫雲(そ・しうん)氏は、バイデン大統領は恐らく中国に対し「柔軟性のある封じ込め」政策を取る可能性があるとして、軍事面では強硬路線を採用しても、気候変動、エネルギー政策、疾病などの分野では北京とある程度協力する可能性があると予測しています。前大陸委員会の副主任委員の林正義(りん・せいぎ)氏は、バイデン大統領は海外での軍事行動に対し国内外で多くの条件を設定しているとして、もし危機の防止と危機管理が行われなければ、中共にインド・太平洋地域で暴挙に出る余地を与えることになると警告しています。

中央研究院欧米所研究員 林正義氏
「耐え忍ぶことだけが米中関係の安定を保つための唯一の道ではない。(バイデン政権には)必要に応じて対立することを恐れてほしくはない」

立法院外交国防委員会 羅致政氏
「台湾は米国にとって、政治、軍事、経済、科学技術といった各分野において欠くことのできない同盟国にならなければならない」

 
 

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