シュワルツェネッガー氏 議会乱入事件を「水晶の夜」事件と比較 反発を招く

米カリフォルニア州の元知事で、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が、自身のSNSに1月6日の連邦議会乱入事件をナチスによるユダヤ人襲撃事件と比較したことにより、物議を醸しています。

共和党出身の元カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガー氏は、1月6日の連邦議会乱入事件をめぐり、芝居の台詞のようなメッセージをTwitter上に投稿しました。しかし、今回の乱入事件をナチスによるユダヤ人襲撃事件と比較したことにより、批判を招いています。

元カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガー氏
「水曜日(1月6日)はここ米国では”割れたガラス”の日だった。(「水晶の夜」になぞらえて)暴徒により議事堂の窓が破壊された。彼らは私たちが当たり前だと思っていた考えをも打ち砕いた」

ホロコーストへの引火点とされる「壊れたガラスの夜」事件は破壊されたガラスが散乱している様子から「水晶の夜」(クリスタル・ナハト)とも呼ばれています。当時ナチ党がドイツ全土にわたり、ユダヤ人が営む1000以上ものシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)を破壊し、約3万人のユダヤ人を逮捕し、100人近くのユダヤ人を殺害しました。

これらの事件は1938年11月のある夜に発生した出来事です。

議会乱入事件が起こった数日後に公開されたシュワルツェネッガー氏の動画は、Twitter上で40万回以上リツイートされ、約110万件の「いいね!」を獲得しました。

しかし、ユダヤ人活動家のドブ・ハイキンド氏はこの誤った比較に憤慨しているといいます。

ユダヤ人活動家 ドブ・ハイキンド氏
「私の母の姉妹、兄弟、甥、姪は移送された直後、すぐガス室に入れられた。だから、ホロコースト、『水晶の夜』事件、アドルフ・ヒトラーが比較対象として挙げられるのを私たちは何回も耳にしている。これはもはや病気だ。これは残念なことだ」

また、ハイキンド氏は、議会議事堂で起こったことは、確かに恐ろしいことだったと述べています。

動画の中で、シュワルツェネッガー氏は、自身の主演映画で使った「コナンソード」という剣を手に持ち、「民主主義はこの剣のように、焼きを入れるほど、ますます強くなる」と述べています。

 
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