台湾外交部「米大統領選の結果に関わらず 年内に米台経済対話を」

米大統領選の投開票日の前日、台湾の呉釗燮(ごしょうしょう)外交部長は、立法院で大統領選後の米台関係には安全保障、経済貿易などの分野が含まれると説明しました。外交次長は、米台経済対話は年末までには始まるだろうと明かしています。また外交部長は、外交部は安全保障分野において多くの評価を行っており、その中の一つが大統領選後に米国が比較的長い不確定期間に陥る可能性があるため、その機に乗じて中共が台湾に脅威を及ぼす可能性があることだとも述べています。

米大統領選の前後10日間に米軍と自衛隊の4万7000人の兵士が日本と沖縄海域で大型共同軍事演習「キーン・ソード」を行いました。これについて一部の専門家は、激戦となった大統領選の終了後に不確定な期間が発生し、共産党軍がそれに乗じて台湾を脅かす可能性があると考えています。台湾総統府はこうした各種状況の変化に対応するため、10月31日に国家安全保障会議を開催しました。

民進党・何志偉立法委員に説明する呉釗燮外交部長
「米国の国内政治情勢が確定するしないに関わらず、この地域における米国の軍事構想に変更はなく、より強化されていると信じている…我々も米国側と非常に緊密なコミュニケーションを維持している…我々は最も積極的かつ十分に反応する」

呉釗燮外交部長は 11月2日、改めて米台関係は良好だとの認識を表明し、意見交換を行った民主党側も、トランプ大統領が行った対台政策の基盤強化が将来の交流に資すると考えています。

中華民国 呉釗燮外交部長
「選挙結果に関わらず、我々は米国と非常に良好な関係を維持できるものであり、この点おいては疑う余地もない」「我々が受けてきた支持は、超党派からの支持だ」「(外交部は)数十年にわたり伝統的に共和党とも民主党とも同等に交流してきた」

米国在台協会(AIT)公式サイトには米台関係に関する3つの重要文書、つまりレーガン大統領が台湾と約束した「6つの保証」、台湾関係法、中華人民共和国との3つの声明が掲載されていますが、米国議会はここ数年、台北法、台湾旅行法、アジア再保証イニシアティブといった台湾支援に関する数多くの法案を成立させています。外交部は、AITに対しこれらも盛り込むことを承認しました。

中華民国 呉釗燮外交部長
「この注意喚起は非常に優れている。我々はAIT(米国在台協会)と話をしている」

民進党の羅致政立法委員
「今後、米国与党がどのように変わっても、制度におけること、法的なことが変わることはない」
米台貿易協力の進展について呉釗燮外交部長は、(赤身剤の)クレンブテロールとラクトパミンを投与された米国産豚肉の輸入開放は、WTO加盟後に国際基準に沿うよう義務付けられるものだとし、米国はこれに対し前向きに対応したと強調しました。

国民党の温玉霞立法委員に説明する呉釗燮外交部長
「経済対話は、台湾にとっても非常に重要だ…非常に近い将来、開催する機会が得られるだろう。そうすれば我々が開放を行ったあとの一定の成果を誰もが目にするだろう。だが米台二国間貿易協定(BTA)を直接持ち込むことは辛く困難を伴うことにもなるだろう」

国民党の楊瓊瓔立法委員に説明する曾厚仁外交部長
「我々は今年の年末までに(経済対話が実現することを)期待している」

呉釗燮外交部長は、台湾・米国貿易および投資枠組協定(TIFA)交渉を積極的に再開させようとしているが、再開できない場合は米台BTA貿易協定の交渉が困難になると率直に回答しています。

 
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