香港のアーティスト 絵筆を武器に抗議を続ける

絵筆を使っての抗議です。新唐人は大きな絵を描くことで有名な自由を求める香港の活動家にお話を伺った。彼の作品は よくその地域のカラフルなレノン・ウォールに現れました。イギリスのJane Werrell記者が取材しました。

この約10メートルのアート作品には、自由へのメッセージが込められています

レノン・ウォール画家 Otto Yuenさん
「自由のために戦い、香港を守ることは香港人としての責任で、恐怖心から逃げ出すことはできない」

2019年、手書きのメッセージが書かれた何千ものポストイットが香港の地下鉄やトンネル 店などに貼られ始めました。

この画期的な抗議方法は「レノン・ウォール」を模倣したもので、1980年に東ヨーロッパで始まりました。プラハにある「レノン・ウォール」は旧共産主義政権に対する抗議芸術のシンボルとなっています。

香港にあるレノン・ウォールの作品の中にYuenさんが描いた絵があり、一見ポスターのようですが 実は手描きです。

多くの絵には人気のあるスローガン「光復香港 時代革命」が描かれています。その言葉は現在 香港では禁止されています。それは中共の国家安全法が通過したからです。

当局は言います。「そのスローガンは『社会秩序を乱している』と」

だから、当局に罪を問われる覚悟で掲げているのです。

「黄色い」店は民主化運動を支援する店のことです。彼らはYuenさんに絵を返却しました。

レノン・ウォール画家 Otto Yuenさん
「もともとこの絵は黄色いお店に掛けるつもりだったが、中共の国家安全法の実施による圧力で、店側も耐え切れなくなり、絵を私に返してきた。私は絵を手放すか、保存するかの選択を迫られた。最終的に、私はこれらの絵を守ることに決めた」

中共の新しい国家安全法とオンライン上での脅威が相まって、彼はやむなく香港を離れました。

春が来て、親中共系の新聞はこんな記事を発表しました。

「レノン・ウォールは性犯罪者が描いた」

Yuenさんは言います。「誹謗中傷はばかげている。僕の知らない人達が絵を掛けてくれていた店主を罵っていた。『犯罪者の作品を掲げて支援した』と」

レノン・ウォール画家 Otto Yuenさん
「ピーク時には僕宛に1日に100通以上のメッセージが来た。『お前はすでに民衆の敵だ。街頭に出てくるな。出たら、すぐに処罰されるぞ』」

彼はイギリスに到着後、この作品を描き上げました。昨年8月31日の香港太子駅襲撃事件から1年を記念して、香港警察が地下鉄の駅にいる抗議者を捕まえようと丸腰の乗客らを負傷させたあの事件です。

この絵には、香港でも人気のあるスローガンの日本語も描かれています。

レノン・ウォール画家 Otto Yuenさん
「これは『光復香港 時代革命』のスローガンの日本語訳だ。この言葉が香港で広がった場合、そのせいで市民が国家安全法を破ったとして捕まってほしくない。だからこの言葉を日本語で表記した」

絵には雨傘や催涙ガスの場面もあります。

レノン・ウォール画家 Otto Yuenさん
「2019年6月から12月までの半年間に、警察は15,927発の催涙ガスを使って、香港の若者らを攻撃した。それに対し若者らが催涙ガスの有毒な煙から身を守るために、使うことができたのは雨傘だけだった。最後の部分は中国共産党と戦っている香港中文大学の学生を描いたもので、龍はCCP(中共)を表現している。これらの小さな紙はそれぞれユニークなメッセージが書かれていて、それぞれに独自のストーリーがある」

彼はイギリスで「レノン・ウォール」を創りたいのです。

レノン・ウォール画家 Otto Yuenさん
「私の願いは 4、5階建ての壁に戦いを表現した絵を描くこと。そのような壁がイギリスでも見られることを願っている」

香港がますます中共当局の勢力に巻き込まれていくにつれて、彼はイギリスの地で香港の自由のために絵筆で戦い続けています。

Jane Werrell, NTD News, London

 
関連記事