クラッチ米国務次官「ミスター習、ファイアウォールを取り壊そう」【禁聞】

米国は中共の浸透に対する抵抗を強化しているほか、中共のファイアウォールの危険性にも注目しています。クラッチ米国務次官はツイッターで、習近平総書記に対し、中国のグレート・ファイアウォールを取り壊そうと呼びかけました。

1987年、当時のレーガン大統領は東西ベルリン境界のブランデンブルグ門の前で、ソ連のゴルバチョフ書記長(当時)に呼びかけました。

レーガン大統領
「ミスター・ゴルバチョフ、この壁を取り壊そう!」

30年あまりが過ぎ、今度はクラッチ米国務次官がベルリンの米国大使館で、すでに故人となったレーガン元大統領の像の横に立ち、中共の習近平総書記に対し、同じように呼びかけました。

クラッチ米国務次官
「ベルリンの壁は消えたが、中国のファイアウォールという新たなデジタルの壁が作られた。中国のファイアウォールは中国の庶民と自由世界を分断した。ちょうどベルリンの壁がドイツ国民を分断したように。ミスター習、中国のファイアウォールを取り壊そう!」
米国在住の中国問題ウォッチャー、張健さんは、クラッチ米国務次官は狙いを定めてこの特別な場所から習主席に呼びかけたのだろうと考えています。

在米中国問題ウォッチャー、張健さん
「米国政府が中共と中国人を分けて考えているのは明らかだ。では、中国人に中共の邪悪さと残忍さをどうやって知らせることができるだろうか。中共によって作られたファイアウォールを取り壊すことは、米国がすぐにでも取り組む必要のある課題の一つになることは間違いない」

ファーウェイ南京研究所の元エンジニア、金淳さんは、中共が作ったファイアウォールはベルリンの壁よりはるかに危険だと指摘しています。

ファーウェイ南京研究所の元エンジニア、金淳さん
「情報の壁は最大の壁だ。人々の世界に対する認識は、様々な情報を通じて獲得するものだからだ。中共が作ったこの壁によって、中国人が世界を認識する方法は中共によってゆがめられている。この壁の外側が真実の世界で、内側は嘘の世界だ。人類の歴史の中でこんなことは初めてだ」

中共の高度なファイアウォールは中国を一つのローカルエリアネットワークにしてしまいましたが、世界にとってこれは目新しいニュースではありません。しかし、今年の初めに武漢で中共ウイルスが流行したときに中共は情報封鎖と言論統制を行い、疫病の真相を隠匿したため、最終的に世界に感染が拡大しました。このほか、中共はさらにこのファイアウォールとビッグデータ監視を他国でも推進しようとしています。

クラッチ米国務次官は以前に、ファイアウォールは「データは流入させるが流出は許さない。宣伝は流出させるが真実を入れることは許さない」という中共の措置をサポートしていると痛切に批判しています。また中共のファイアウォールを崩壊させようと主張している米国高官はクラッチ国務次官だけではありません。

今年6月1日、複数の保守派リーダーによって構築された公共プラットフォーム「保守派アクション・プロジェクト」(Conservative Action Project)に、中共当局の乱用によってインターネットが「抑圧的な情報・マインドコントロールシステム」になってしまったと指摘する記事が、各界の著名人や専門家、活動家などの共同署名入りで掲載されました。中共のファイアウォールを停止させることは非常に重要で、彼らはポンペオ国務長官に対し、米国歳出予算案7050aの規定に従って、民間部門と協力して中共のファイアウォールを崩壊させる技術と計画に共同で着手するための権限を議会に与えるべきだと呼びかけました。

現在、民間の一部の機関がすでに、ファイアウォールに穴をあけることのできるサイフォンやACIといったツールの開発に成功しており、非営利団体GreatFireが中共のインターネットコントロール専用に開発したAppMaker(アップメーカー)や、法輪功学習者が開発した自由門やUltraSurf(ウルトラサーフ)ブラウザといったインターネット検閲や封鎖を突破するソフトウェアも存在しています。

ボイス・オブアメリカは8月に、米国政府機関と民間機関が、中国のインターネット・ファイアウォールを突破して、安全なオンライン・フリー・アクセスと情報共有を促進する新たなインターネット反検閲ツールの開発を進めていると報じました。

金淳さんは、中共のファイアウォールを崩壊させることは技術的には可能だと話しています。

金淳さん
「当然可能だ。米国はインターネットのルートサーバのような技術を把握しているだけでなく、各種ウォール破壊技術、ウォール突破技術を研究開発する力を備えているうえ、今も積極的にスターリンクなどのインターネット宇宙関連技術も積極的に開発を進めている。中共の独占状態を完全に打破して中国国内の人に真相を伝えることは物理的に可能だ」

金淳さんはさらに、多くの中国人は海外に出て、もはやファイアウォールに囲まれてはいないにもかかわらず、依然として思考は牢屋に入っていると指摘し、中共が彼らの心の中に築いた壁も取り壊す必要があると指摘しています。

金淳さん
「文明文化全体が変革するには大きなプロセスが必要になる。中でも、技術面で努力する以外に信仰や価値観においても、中国から出てきた人をガイドする必要があると考えている」

クラッチ米国務次官がツイッターに公開した動画はネットユーザーの共感を呼び、「中国人のために発言してくれてありがとう」「今すぐ行動する」「打倒中共」といったメッセージが次々と投稿されました。

 
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