水害で塗炭の苦しみにある中国南部 中国メディアは「美しさ」を報道【禁聞】

中国南部では洪水災害が猛威を振るい、長江中下流域の県や市の多くで水位が警戒レベルを超え、多くの場所で堤防が決壊し、水位は1998年の大洪水の時に迫っています。インターネットには多くの民衆が撮影した生々しい災害の様子がアップロードされていますが、それとは対照的に、中共メディアが報じている洪水のニュースはポジティブな表現にあふれているだけでなく、深刻な洪水災害が発生した都市の美しさを報じるなど、現実離れしたニュースを報じています。

中国では40日間の豪雨が続き、過去最長を記録しました。長江上流の水が絶えず江西省の鄱陽湖水域に流れ込み、鄱陽湖の氾濫範囲は今も拡大し続けています。

中共上層部が現地を視察したという情報はない一方で、中国メディアは今、洪水災害の起きた都市を風光明媚な観光地として報じることに躍起になっています。

7月5日、南昌鉄道の公式ウェイボーアカウントは新華網の動画を引用し、鄱陽湖の水位が急速に上昇したことで、湖水が道路を覆いつくして息をのむほどの美しい水上道路が姿を現し、神々しいほどだと報じています。これについてあるネットユーザーは、私の目には苦難が映っているが、お前の目には神々しく映るのだなと投稿しています。

実際の鄱陽では、7月14日にあるネットユーザーが投稿した動画によると、江西省鄱陽の一帯で民家が水没し、洪水とともに大量の土砂が運ばれ、川と道路の境目すらわからなくなっています。民衆は、政府は鄱陽を見捨てる準備をしていると話しています。

中国のある住民
「これは鄱陽の予備車両で、いつでも投入する準備ができている。道路の両脇はすべて土砂だ。全部満載になっている。これまでに入手した情報は「武漢を守り、鄱陽を捨てる」だ。鄱陽を見捨てれば彼らは穴をあけ、爆破する。全部車だ。数百台が何キロも続いている」

中共メディアは、神々しいのは鄱陽だけではないとして、湖南省湘西(しょうせい)の鳳凰古城の名前も挙げています。7月1日沱江(だこう)の水面から霧が立ち上る様子がまるで薄絹のようで、「桃源郷」にやってきたようだと報じています。一方、民衆が撮影した鳳凰古城を見ると、中共メディアはまるでパラレルワールドに存在しているかのようです。

広州の珠江新城では今年、深刻な冠水が発生しましたが、中国メディアの南方都市報は、たまった水が鏡のように、広州の都市の美しさを映し出していると報じました。

7月7日に環球時報は、浙江省新安ダムが放水し、下流に流れた大量の湖水が大量の魚を運び込んだため、民衆は水位の上昇に乗じて魚を捕まえ、かなりの量を捕まえたと報じています。

7月10日、中新網は、南方で発生した豪雨を報じましたが、その記事と共に青々とした樹木や清潔な道路、秩序だった車の流れを撮影した写真が掲載されました。

あるネットユーザーは、小学校に入学してから『禹(う)の治水神話』を知った。洪水はいつの時代でも恐ろしいものだ。だが、今起きている2020年大洪水について、主要メディアの報道は私の理解を覆えすものだ。洪水にも美しさがあり、ポジティブな喜びも書き記すことができるなどとは」と投稿しています。

武漢市民の張さん
「我々はいつも災害をポジティブな宣伝に変え、災難に遭っても宣伝するのはいつも災害に勝利したというだけで、被災して辛いとは言わない。いつも悲劇を喜劇として演じている。これが『中国の夢』だ。『中国の夢』は、喜びは報じても憂いは報じない」

湖北省の劉さんは取材に対し、これは中国メディアの特徴で、どんなに悪いことでもすべてポジティブな内容に変えてしまうと指摘しています。

湖北省の劉さん
「実際のところ、庶民はこの種の宣伝に大きな反感を抱いている。だがどうしようもない。現在の中国は言論の自由のない場所だ。多くの報道人もしかたなくやっているのだろう。こういう宣伝政策である以上、彼らはそれに従わなければならないから」

山東省出身のキャスターは「なぜこんなに多くのダムが建設されたのか。洪水はかえってひどくなっているというが、それはインターネットが整備され、洪水が深刻化していると錯覚しているからだ」と発言しています。

中国メディアの姜騰キャスター
「長江の水位が16日に29.2mに達し、98年洪水の最高水位まであと0.23mに迫ると予測されてはいるが、今年の被災者は前年よりも46%も下がっている」

湖北省の劉さんは、インターネットは中国に長い間根付いているため、過去の情報も民間人の間で広まっていくと語っています。

湖北省の住民、劉さん
「インターネットは今に始まったものではない。災害一つとっても、以前よりひどいのは間違いない。それは我々が(昔と比較して)確認できるからだ。特に我々の地方がしょっちゅう水害の起こる湖北省にあるからだ。彼女は何を根拠に今年の災害は以前よりもましだと言っているのか」
統計データによると、6月から始まった長江流域の連続豪雨の中で、7回の大規模な豪雨が発生しており、64%の県と市の行政区域が災害警報を発したことが分かっています。

中国メディアのキャスター
「水利部の関連担当者は、我々はすでに比較的整備された水利・洪水防止プロジェクト体系を構築したため、1998年のような洪水が起きたとしても対処できると、自信に満ちた説明を行った」

長年にわたり中共が「海を鎮める神の宝物」として宣伝してきた三峡ダムに対する宣伝が、最近変化しています。

長江三峡ダムについての報道が、「一万年に1回の大洪水にも耐えうる」から「千年」になり、「百年」になり、最後は「ダムは最善を尽くしている」と変化してきたことに対し、あるネットユーザーは「一万年に一回の災害に耐えうる洪水対策機能があったのでは?」と疑問を投げかけています。

 
 

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