ダム放水!事前通告なし 広西チワン族自治区で再び洪水被害

中国南部では洪水被害が続いています。三峡ダムの下流にある湖北省宜昌市では6月27日、豪雨に見舞われ、深刻な水害が発生し、赤色警報が出されました。報道によると、今回の水害は上流にある葛洲ダム、溪洛渡ダム、向家壩ダムの放水により発生しました。一方、広西チワン族自治区では6月25日に猛烈が雨が降り、河川が氾濫し、道路が冠水しました。また、桂林市陽朔県を流れる遇龍河の水が急増し、警戒水位を超えました。現地の住民によると、ダムの放水によって、被災状況が深刻化しているが、放水の事前通告はないといいます。

6月25日、広西チワン族自治区各地が再び豪雨に見舞われました。南寧市武鳴区では記録的な大雨が降り、深刻な被害が出ています。現地の観測センターによると、1日の降水量は257.4mm に達し、1957 年の観測開始以来の最高値を記録しました。26日の動画では、旧五海橋が完全に水没し、道路が冠水し、明秀発電所や家屋の1階が水没している様子が映されています。河川の水位が上昇し、バスターミナルも浸水し、車は船のように水上を走行しています。

南寧市武鳴区羅波鎮の店主 王さん
「南寧では雨が丸一日降った。ダムは雨で水がいっぱいになると、間違いなく放水する。川の水もいっぱいになっている。全ての地区で水害が発生しているわけではないが、武鳴区は水没した。また、農地や稲などは全部水没した。雨と共に雷が鳴り、電気も水道も止まった」

南寧市武鳴区の住民、黄さんは、ダムは放水しても知らせることはないので、放水したかどうか分からないと言いました。しかし、武鳴区が水没したことには疑問を呈しています。武鳴区は海抜123~145メートルと非常に高く、広西チワン族自治区の有名な高山である標高1,883メートルの大明山もあり、自身の記憶では武鳴区は洪水になりにくい地形のはずだと述べています。

南寧市武鳴区市民 黄さん
「猛烈な雨が丸1日降り続き、水害が発生した。数本の川が氾濫し、ここ武鳴区も水没した。道路は全部冠水し、川辺にある家屋は2階まで浸水した。農村の農地と農作物も全部水没した。武鳴にもダムがあるが、知らせはなかった。報道もしない」

現場の動画によると、桂平市の上流にある金田ダムの水位が大雨により急激に上昇したため放水し、泥水が川に流れ込みました。

また、漓江の支流である遇龍河(ぐりゅうが)の水位が再び急上昇しました。遇龍河の川辺のあるホテルの従業員は、桂林の漓江には複数のダムがあり、放水しても事前に知らせることはしないといいます。前回の放水は洪水を引き起こし、多くのホテルが浸水したと述べています。

桂林市陽朔県ホテルスタッフ 路さん
「ここ数日間は雨が降り、水が増え、安全水位を超えているので、遊ぶことはできない。上流のダムも増水したので放水した。どこもこの問題を心配している」

25日、ネットユーザーがYoutube上に6月7日の広西チワン族自治区の洪水の動画を投稿しました。洪水のあと、桂林の被災地は泥やゴミであふれています。多くの店の防犯扉が洪水で流され、あるスーパーは商品がすべて浸水し、80万から90万元の損失を被りました。洪水によって、多くの店が閉店を余儀なくされました。

 
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