米国が台湾に魚雷売却へ 米台関係はさらに緊密に

蔡英文総統の就任式典が行われた日、米国台湾への新たな武器輸出を承認しました。専門家は、米台関係が米中関係を追い越しているとの見方を示しています。

5月20日、米国務省は台湾への1億8000万ドルの武器輸出を承認したことを明らかにしました。中には誘導魚雷「MK48 Mod6」18発と関連機器が含まれています。この武器売却は台湾関係法に基づいており、議会にも通達されています。

米国際評価戦略センター軍事専門家 中国問題専門家 リック・フィッシャー氏
「これは米国の在庫の中で最も効果的な遠距離魚雷の一つで、非常に有効な大戦兵器で、台湾の潜水艇に非常に適している」

台湾の呉釗燮外相は21日、立法院での質疑で、台湾製の潜水艦に重魚雷が使用されると発言しました。 中国メディアは、この魚雷は空母を高速で破壊することが可能だと報じています。

時事評論家の唐靖遠氏は、今回の米国の台湾への武器売却は二重のシグナルを発していると考えています。

時事評論家 唐靖遠氏
「これは蔡英文総統へのお祝いであり、同時に蔡英文総統の両岸関係に対する政策、つまり一国二制度を拒否する政策への支持を表している。二つ目は、これは米国が全面的に米台関係を立て直していることを意味し、政治的繋がりだけでなく、軍事的支援も強化している」

同日、ホワイトハウスは中国に関する新たな戦略報告書を発表しました。報告書では、北京が約束を守らず、大規模な軍事拡張を行っていることから、台湾が地域の平和と安定の確保に必要な十分な防衛能力を確保することを米国は保証する必要があると指摘しています。

米国際評価戦略センター軍事専門家 中国問題専門家 リック・フィッシャー氏
「はっきりしているのは台湾は米国政府だけでなく、日本、フィリピン、豪州などにとっても(重要だ)。もし中国が台湾の民主主義を抹殺して台湾を征服した場合、彼らは台湾を大型軍事基地にし、アジアの民主主義を終結させるだろう」

米国は近年、F16新型戦闘機やM1A2エイブラムス主力戦車、スティンガーミサイルなどの武器も台湾に売却しており、2019年には台湾への100億ドル以上の武器輸出を承認しました。

専門家は、中共肺炎の世界的な流行を背景に、米台関係には本質的な変化が始まったと考えています。

時事評論家 唐靖遠氏
「過去の米台関係は米中関係に従属していたが、徐々に上昇して独立した二国間関係になるだろう。つまり、米中台間の関係は徐々に均衡の取れた3か国関係になるだろう。さらには米台関係関係は米中関係を超える可能性もあり、この趨勢はもう不可逆であると言える」

 
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