WHOが年次総会から台湾を排除 台湾外交部が抗議

世界保健機関WHOの年次総会が5月18日に、史上初のオンライン上で開幕しました。多くの国が呼びかけたにもかかわらず、台湾は参加できませんでした。 台湾外交部の呉釗燮(ご しょうしょう)部長は、中共の圧力に屈し、台湾の2300万人の健康と人権を無視しているとWHOを批判し、WHO事務局に抗議の書簡を送る方針を明らかにしました。

中華民国 呉釗燮外交部長(外相)
「招待状は届いていない。WHO事務局が中国(共)政府の圧力に屈し、2300万人の台湾人民の健康と人権を引き続き無視している。外交部は高度の遺憾を表明する」

中央感染症指揮センターを訪問した呉釗燮外交部長と陳時中衛生福利部長は、中共の圧力により、台湾は18日のWHAに参加できなかったとメディアに語りました。台湾が他国と伝染病予防の経験を共有することができないこと、台湾が他国の関連する経験から学ぶことができないことについて、陳時中氏はWHOに抗議文を提出すると述べました。

中央感染症指揮センター指揮官 陳時中氏
「事実上世界にはやはり覇権が存在する。我々は矮化されるのを望まない。我々は専門的能力を用いて、もっと多くの人々の賛同を獲得したい」

中華民国 呉釗燮外交部長(外相)
「WHO事務局は、中共の干渉を受けている。2005年、中共とWHOは秘密覚書に署名したからだ」

中共肺炎との戦いで台湾は最も優れた成績を納め、世界の疫病予防のモデルとなりました。29の国家行政と43か国の600人以上の要人が様々な形で台湾のWHOやWHAへの参加支持を表明しました。しかし、WHOは今年も台湾の参加を見送りました。

中央感染症指揮センター指揮官 陳時中氏
「世界で影響力のある187か国のうち、台湾は第156位にランクインしている。この成績は簡単ではない。WHOはプロフェッショナルで中立の立場を守り、政治的干渉を拒絶するよう希望する」

中華民国 呉釗燮外交部長(外相)
「中共政府は口では台湾人民の健康に関心を寄せると言いながら、台湾人民の健康権を再三剥奪している。台湾人民は嫌悪感を覚えるだけで、国際社会への参与と世界への貢献に対する願望を捨てることはありえない」

呉釗燮氏はWHOに国際社会の声に耳を傾けるよう呼びかけています。また、今回の年次総会の日程が疫病の影響で短縮されたため、友好国のWHOへの提案は秋の実体会議で話し合うことになりました。

台湾への招待状を出さなかったWHOに対し、米国のポンペオ国務長官は18日、非難の声明を発表しました。テドロス事務局長は独立性に欠け、中共の圧力を受けて台湾を招待しなかったことで、世界がWHOを必要としているときにその信頼性と有効性を損なうと非難しました。

一方、トランプ大統領は18日のTwitterで、テドロス事務局長宛ての書簡を公開し、WHOが30日以内に大幅な改善に取り組まなければ、拠出金の停止を恒久化し、WHOへの加盟も見直すと述べています。

 
関連記事