【疫病と中共】中共依存度の高いエクアドルを待つ危うい未来

原油の産出を経済の要とするエクアドルは、南米で新型コロナウイルスから最も大きな被害を受けた国の一つで、4月29日現在、24,258人が感染し、871人が死亡しています。エクアドルで被害が拡大した理由を分析しました。

中共ウイルスは南米のエクアドルも襲いました。

3月16日、エクアドルのレニン・モレノ大統領は緊急事態宣言を発表し、17日から夜間外出禁止令を出しました。24日、政府は感染者が1000人を超えたと発表しました。

葬儀場の受け入れ能力は限界に達し、病院の外に臨時遺体安置所を設けるしかない状態です。木製の棺桶が不足しているため、政府はやむなく段ボール製の棺桶の使用を認めました。

エクアドルは主に、原油によって外貨を獲得していますが、主なパイプラインが4月に損傷し、原油のほとんどが輸出できなくなっています。

3月16日、エクアドルのレニン・モレノ大統領は、国内全域に緊急事態宣言を出し、エクアドルは今、未曽有の経済危機に見舞われていると発表しました。

ウイルスの被害が深刻化した国には、「中共と密接な関係がある」という共通点があります。

例えば、イタリアは欧州で最も被害の深刻な国で2万7000人以上が死亡していますが、2019年に盟友の警告を無視して中共「一帯一路」構想に関する覚書に署名しました。さらには、中国警察がイタリアでパトロールする光景まで見られました。

赤道直下の石油産出国、エクアドルにとって、中国からの受注は魅力あるものです。そのため、エクアドルもまた「自然と」中共に接触しているようです。

2010年、中国からの融資と労働者に依存しながら、エクアドルは最大のエネルギー関連プロジェクトであるコカコドシンクレア水力発電所の建設に着手しました。ニューヨークタイムズは、元の計画ではこの水力発電所でエクアドルの電力使用量の1/3を供給して、貧困からの脱却を支援することが期待されていたと報じています。

しかし現実は期待に反し、このプロジェクトはエクアドルに大きな災害をもたらすことになりました。

水力発電所は活火山のふもとという危険な場所に建設されています。また低品質の鋼材が使用されたことで、機械に亀裂が生じました。エンジニアが全負荷発電を行った際に故障が発生して電力網が短絡し、全国規模の停電も発生しました。

こうした状況にもかかわらず、エクアドルは中共に対し190億ドルもの債務を返済する必要があります。これにはダムとその他のインフラプロジェクトの建設費が含まれており、中共はエクアドルがその最も重要な輸出品目である石油によってこの債務を返済するよう希望しています。現在、中共はエクアドルが輸出する石油の8割を手に入れており、割引価格で入手した石油を再輸出して利益を上げています。

中共の行う融資を「債務外交」と呼ぶ声もあります。近年、中共は発展途上国に対し、インフラ整備を目的として数十億ドルを融資していますが、これらの国が借金を返済できなくなった場合、中共はその国の重要資産をたやすくコントロールできるようになるでしょう。

エクアドルにとって、中国は最大の債権国です。

エクアドルは中国人旅行者のビザ免除を受け入れ、イデオロギー的にも中共政権に屈服しています。

2015年、駐エクアドル中国大使館から圧力がかけられたため、神韻芸術団のエクアドル公演が開催日の一週間前になって突然中止になりました。神韻芸術団は中国古典舞踊を通じて中国五千年の伝統文化の復興を目指す芸術集団で、その高度な技術と高い芸術性は世界中で受け入れられています。

中共はエクアドルが国家緊急事態システムを構築するための資金援助も行っています。これは実際には監視カメラ4500台と16か所の地域対応センターを含む、巨大な監視システムです。

この監視システムは主に、ファーウェイと中国の国有株式会社が建設に携わっています。

2016年に習近平国家主席はこの監視システム本部を訪問し、両国の関係と中国企業がエクアドルで挙げた業績を高く評価しました。

 
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