中共「流行はピークを過ぎた」専門家「他国に責任転嫁する準備だ」

武漢で発生した中共ウイルス肺炎が世界中に広まるなか、中共は中国大陸の流行のピークは去ったと宣言しています。一方専門家は、中共はいつものやり方で症例を少なく見せて庶民に職場復帰を求めながら、再度の感染増加に備えて、他国に『責任転嫁』する準備を進めていると指摘しています。

中国国家衛生健康委員会の米鋒報道官は3月12日の記者会見で、湖北省では武漢以外の各地で、一週間連続で新規の発症者が確定されず、流行の最も深刻な武漢でも11日の時点で新たな感染者数が一桁まで下がったと説明し、「流行のピークはすでに過ぎた」と発表しました。また全国のその他の地域の新たな症例のほとんどが、国外から入国した感染者だとも発表しています。

米国のウイルス専門家、粛恩博士
「中共のデータには信頼性がない。武漢の大規模感染において、十分に効果的な介入が行われていたとしても、その介入過程は非常に困難だったはずで、さらにこの流行が下火になっていく過程も、実際にはかなりの時間を要するはずだからだ」

中国各地の民衆も、「毎日患者が見つかっているのに、政府が発表する新たな患者数はいつもゼロだ」などとインターネットに絶えず情報を発信しています。

米国のウイルス専門家、粛恩博士
「特に、中国で感染したグループの基数は極めて大きい。このウイルスを社会から短期間で消滅させることはほぼ不可能だ」

米国のウイルス専門家、粛恩(しゅく・おん)博士は、「武漢では1月と2月に広範囲で感染が拡大したが、中共は強制的な隔離措置を取る以外に、ほぼ何の手も打たなかった。だが政府が発表した感染データによると、1か月で感染者が急速に減っている。明らかに事実と異なっている」と述べています。

米国のウイルス専門家、粛恩博士
「これは政治的な目的を果たすために作成されたデータだろう。たった1か月で制御し、そこには明確な治療方針もなく、人から人へと感染を遮断できる明確で効果的な感染防止策もなかった。それで短期間で『一桁』『ゼロ』まで到達したという。これは防疫において、どうやっても実現不可能なことだと思っている」

米国在住の時事評論家、鄭浩昌(てい・こうしょう)氏も、中共はデータの「安定維持」を図っていると指摘しています。

在米時事評論家、鄭浩昌氏
「彼ら(中共)は袋小路に入り、他に出口がないので元の道に戻るしかない。ウイルスをどうにもできないのでデータを使って安定を維持している。だがウイルスは人間ではない。中共がこの安定維持モデルをウイルスに適用しようとしても、通じるはずがない」

中共は国内の流行のピークは過ぎたと発表したほか、3月の新規感染者はすべて「海外輸入型」だと強調しています。

3月10日から12日まで北京では新たに7人の感染が確認されましたが、イタリアからが五人、米国から一人、英国から一人だとしています。上海では四人の感染が新たに確認され、イタリアから三人、米国から一人だとしています。

同時に、北京と上海は、海外からのすべての入国者に対し、14日間の自宅待機を求めると発表しました。

米国在住の時事評論家、章天亮(しょう・てんりょう)氏は、これらの発表や手段はいずれも、中共が今後発生する可能性のある次の爆発的流行に備えて、責任転嫁できる理由を準備しているのだと指摘しています。

米国在住の時事評論家、章天亮氏
「再操業や再生産が始まった中国でもう一度流行が起きた場合、中共はそれを別の国のせいにできる。『今、世界で流行が広まっている。元々我が国はウイルスを制御できていたのに、世界で流行が広まり、多くの人が国外から中国にやってきた。よって中国のウイルスは外国から入ってきたものだ』と言えば、その責任を他国に押し付けることができる」

3月11日、WHOは新型コロナウイルスのパンデミック宣言を出しました。鄭浩昌氏は、武漢肺炎の重症度はSARSをはるかに上回っており、中共も時代と共にさらに悪辣になっていると指摘します。

在米時事評論家、鄭浩昌氏
「感染初期段階でウイルスを制御できていたら、もしくは流行状況がSARSレベルのものだったら、中共は今回のような『責任転嫁』を試みる必要はなかっただろう。今、全力を挙げてそれを行っているのは、今回の罪が大きすぎて、北京が単独で責任を負えないところまで達してしまったため、国内からの非難から逃れようとしている。それで中共は他国に濡れ衣を着せようと考えている」

ドイツ国営放送「ドイチェ・ヴェレ」は、ドイツの著名なウイルス研究家、クリスティアン・ドロステン氏の話として、中共の言う「ピークは去った」は疑わしいと述べています。同氏は、「ひとたび中共が強力な隔離措置を解除したら、一定期間が過ぎたのちに中国には間違いなく次の流行が訪れる。なぜならウイルスの隔離は、ウイルスの消滅と同じではないからだ」と警告を発しています。

 
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