米国務省が最新の人権報告を発表 中共の法輪功迫害を非難

米国務省が3月11日に発表した最新の人権報告の中に、中共政府が法輪功学習者と人権派弁護士に行っている迫害に対する批判が何度も盛り込まれていました。また中共が全中国人に対して行っている集団的迫害行為は「世紀の汚点である」と名指しで批判しています。

米国務省が発表した『2019年国家人権実践報告』(以下、2019年人権報告)は米国が発表する44回目の人権年度報告となります。

報告書の中国関連の部分には、中共政府は過去一年間に殺害、強制的な失踪、酷刑、任意拘留などを違法に継続しており、報道関係者、弁護士、作家、反体制派、政府への陳情者およびその家族らに対し人身攻撃や刑事告訴を行い、言論統制などの政策を進めてきたと記されています。

報告書にはさらに、中共は行政拘留を通じて政治活動家や宗教信者を恫喝しているほか、デモを禁止し、政治活動家や宗教信者、特に法輪功学習者を対象とした「法律教育センター(legal education)」が設置されていると指摘しています。

マイク・ポンペオ国務長官は11日の記者会見で、中共政府がハイテク監視技術を使って潜在的な反体制派を監視し、拘留キャンプに宗教信者を拘束していると発言しました。また中共は常に宗教信者を憎悪してきたと述べ、中共の人権記録は「世紀の汚点」であり、中共はジャーナリストを恫喝することで、自身の行為を隠匿しようとしていると指摘しています。

海外に亡命した中国人弁護士の陳建剛(ちん・けんごう)さんは、かつて数多くの法輪功関連の案件を手掛けてきたため、中共が行ってきた残酷な迫害をよく知っていると語っています。

中国の元人権派弁護士 陳建剛さん
「各省で私は本当に多くの法輪功学習者と接触したが、彼らはみな非常に善良な人たちだった。それなのに彼らは拘束され、一人の例外もなく、老若男女の区別もなくすべて酷刑や虐待を受けていた。また看守所で行われていた虐待は、警察官は誰もが、女性警察官であっても非常に悪辣だった」

陳建剛さんは、中国から法輪功学習者を弁護した時の判決書を多数持ちだしたと語っています。それには、警察官が男性囚人に女性学習者を暴行するよう命じたことをはじめとする、中共の数々の悪行が記録されています。

中国の元人権派弁護士 陳建剛さん
「非常に残酷な 性的な酷刑に耐えられる人はどれくらいいるのだろうか。ありとあらゆる酷刑が行われた。警察が男性囚人に命じて女性学習者に性的暴行を加えたという話も聞いている」

2019年人権報告では、中共の違法な臓器移植システムに関する直接的証拠はないものの、一部の活動家と組織が、法輪功学習者を始めとする良心の囚人に対し中共が行っている強制的臓器収奪を継続的に糾弾していると述べています。報告書ではまた、オーストラリア国立大学が中共の臓器ドナーに関する政府統計データを研究したところ、中共のデータはねつ造されたものであり、「自発的ドナーからのものではない臓器が臓器提供された臓器として記録されている」ことを突き止めたと記されています。

陳建剛さんは、中共の強制的な臓器摘出について、中共内部から提供された情報や、多くの法輪功学習者から聞き取ったもの、そして被害者の家族の話など、多くの情報を持っていると語っています。

中国の元人権派弁護士 陳建剛さん
「中共に対する私の認識と判断に基づくと、どれだけ良心が失われたとしても、彼らはやるだろう。中共の臓器移植専門家が他国と協力して臓器移植を一つの巨大な取引とみなしていることや、さらには外国の政治家へ与える恩恵としていることなど、多くの情報がある」

陳建剛さんはさらに、「普通の国で臓器移植手術を受けようとすると何年も待たなければならないし、適合する臓器ソースがないと、その間に死んでしまうこともある。しかし中国では金さえ出せば、中共が十分な臓器を供給してくれる」と述べています。

中国の元人権派弁護士 陳建剛さん
「私が実際に出会った人の話をしよう。彼は1~2年の間に肝臓を二回取り換えて今は元気に暮らしている。彼は服をめくりあげて、どのような手術が行われたか詳しく話してくれた。どれだけ金を払ったか、どの病院だったかといった情報は、私自身で見聞きしたことだ」

陳建剛さんは、中国の臓器移植は外部に向けて販売されているようなもので、これらの臓器がどこから供給されているのかは大きな問題であり、詳しく調査する必要があると述べています。

2019年人権報告には、国際的な独立機関の報告書を引用し、直接的および間接的な証拠によって、中国国内で強制的な臓器摘出が行われていることが示されていると記されています。

法輪大法情報センター広報担当 張而平さん
「昨年6月にロンドンの独立裁判所で、中共による生きた人間からの強制的臓器摘出問題について法律上の証明が行われ、中共が強制臓器摘を行っているだけでなく、臓器が提供されるまでの待ち時間が非常に短く、大量の医療従事者と病院施設が関わっていることが明らかになった」
法輪大法情報センターの報道官は、中共の封鎖により「2019年人権報告」には一部の案件しか収録できていないが、それでも法輪功学習者に対する迫害がいかに非人道的であるかを知ることができると語っています。

法輪功学習者への迫害について国際的な調査を行っている人権団体「法輪功迫害追跡調査国際組織」は3月1日、『2019年中共による生きた人間からの強制臓器摘出の現状に対する調査とまとめ』を発表しました。これは臓器移植の資格を備えた中国最高等級の病院178カ所を対象に調査を行ったもので、法輪功学習者に対し中共はいまだ強制臓器摘出を継続しており、多くの場所で臓器移植産業が急速に発展していることを裏付けています。

 
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