【動画ニュース】中国が「対台湾26ケ条」を発表 評論家「糖衣でくるんだ毒薬」

中国共産党が11月5日に発表した「対台湾26ケ条措置」について、台湾外交部は中共の「一国二制度」を推進するための行動プランであり、台湾の併呑を意図したものだと批判しました。評論家は、これは「糖衣でくるんだ毒薬」だと指摘しています。

中国国務院台湾事務弁公室と発展改革委員会は11月4日、「両岸の経済文化交流協力のさらなる促進に関する若干の措置」、通称「26ケ条措置」を発表しました。この措置は台湾企業と台湾市民を対象とする各13項目の政策で、「中国国民と同等の待遇」を提供すると記されています。

「26ケ条措置」には重要技術装備、5G研究開発、ネットワーク建設、新型金融組織等の構築に対する台湾企業の参与を奨励すると記されています。

台湾民進党の立法委員、王定宇氏
「『台湾優遇26項目』と呼ばれているが、『中国に利益をもたらす26条』『Benefit China 26条』と呼ぶべきだ。この中の16条は5Gやテーマパークなどへの投資を台湾人に開放するというものだ。米中貿易戦争が起きて中国の資本は大量に流出し、中国の川上、川下のサプライチェーンの技術も西側社会からボイコットされている。よって中国は今、史上最大の資本流出に見舞われており、さらに技術面での断層が起きている」

台湾民進党の立法委員、王定宇(おう・ていう)氏は「『26カ条措置』は中共が現在の苦境を解決するため、台湾人に彼らの経済危機における空洞を埋めさせようとしている。だから「台湾優遇」とは呼べず、台湾人ビジネスマンはこのリスクを負うべきかどうか評価するだろう」と指摘しています。

中国に投資する台湾人被害者協会の理事長で、台湾人起業家、社会活動家の高為邦氏
「台湾人が中国に投資する際に一番考えなければならないのは『安全かどうか』だ。投資して金を稼いでも、その後何かの理由で自分が突然監禁される。あるいは不合理で、非合法的な手段で略奪される。こうした状況は過去に数えきれないほど起きている。そのため多くの案件に門戸が開かれて、多くのチャンスがあるとしても、我々はすべてに落とし穴があるとみている」

「対台湾26カ条」の13条には台湾の芸術家、文化人、スポーツ選手、学生などに中国国民と同じような待遇を提供するほか、台湾市民は中国政府の在外公館で緊急時の援助やパスポートの申請ができると記されています。

これについて台湾外交部の欧江安(おう・こうあん)報道官は4日、「中華民国台湾は主権国家だ。政府が我が国の国民に対し行使する領事権は中国とは無関係であり、これを中国政府が代わりに行使する必要はなく、これを委託することもない」として、中国側が提示したこれらの措置の最終目的は、台湾を併呑することであるとの厳正な声明を発表しました。

台湾民進党の立法委員、王定宇氏
「我々の選手は我々の国が支えている。我々が外国を旅行する際、ビザが免除される国の数は中国よりも台湾の方が多い。政治や行政に都合のよい糖衣で、国の主権を消滅させる毒薬を包んでいる。台湾人はこれをペテンだと思っている」

中国に投資する台湾人被害者協会の理事長で、台湾人起業家、社会活動家の高為邦(こう・いほう)氏は「中共が台湾人に中国人と同じような待遇を与えるなどと、まったくとんでもない話だ。中共統治下の中国人には何の人権もないし、自由など語るべくもない」と語っています。

高為邦氏
「気の毒な人たちだ。密航したり出国したりと、さまざまな手段を講じて必死に他国に移住している。我々の台湾ではありえない。『26カ条』には何の吸引力もない」

中共の「対台湾26カ条」について台湾外交部の呉剣燮(ご・けんしょう)部長は4日、外交部ツイッターアカウントに「中国台湾事務弁公室が対台湾26カ条を打ち出したが、昨年にも「31条」があった。とても多いようだが我々台湾は「一国二制度」は適用できない。本当に遠慮はいらない。『あなた方の人民にもっと自由を与えても』いいんじゃないか」と簡体字で投稿しました。
台湾行政院大陸委員会も4日に声明を発表し、「26カ条措置」は中共が台湾の主権を矮小化(わいしょうか)するためのものであるうえ、中国共産党当局が台湾の政治や軍事力に圧力をかけ、台湾が『一国二制度』を受け入れるよう脅しをかけるための『両面アプローチ』だと指摘しています。

台湾民進党の立法委員、王定宇氏
「この部分が彼らの政治的たくらみだ。中華民国台湾の主権を欲している。中華民国の国民に中華人民共和国の準国民待遇を与えることは、中共の一国二制度の実践版と言えるだろう」

中共は昨年3月にも「台湾優遇31カ条措置」を発表し、今年も「26カ条措置」を打ち出しました。その理由を王定宇氏は「31カ条措置」の効果が振るわなかったからだと考えています。今年の「26カ条」は、中共が来年1月に予定されている台湾総統選への干渉を意図していることが見て取れるほかは、中共がすでに困窮していることを示しているに過ぎないと指摘しています。