【動画ニュース】動物園が顔認証システム導入 大学副教授が動物園相手に訴訟

中国浙江省杭州市の動物園が最近、顔認証システムを導入しました。これに対し、浙江理工大学の副教授が動物園を相手に訴訟を起こしました。中国共産党当局が大々的に推進している監視システムに挑戦状を叩きつけたこの事件は、中国では前代未聞のことであると言われています。

中国メディアの報道によると、今年4月、浙江理工大学の郭兵(かく・へい)副教授が、1360元(約21000円)で「杭州野生動物世界」の大人2人と子供1人の年間パスポートを購入しました。10月17日、動物園から「利用者は入場の際、当初の指紋認証ではなく顔認証が必要になるため、事前登録しないと入場できなくなる」とのショートメッセージが送られてきました。

10月26日、知らせの内容を確認するため、郭さんは動物園を訪れました。職員からは、顔認証の登録をしないと入場できないだけでなく、返金手続きもできないと言われました。

郭さんは動物園のこの措置は違法であるとし、10月28日、動物園相手に訴訟を起こしました。杭州市富陽区裁判所は11月1日に事件を受理しました。中国メディアは、この事件は中国の顔認証システムの初の訴訟であると報じています。

中国の元NGO活動家の楊占青(よう・せんせい)さんは、顔認証システムは個人識別データの収集に関わっており、郭さんの訴訟を支持すると語ります。

元NGO団体メンバーの楊占青さん
「中国国内のこの種の公益訴訟は非常に少ない。ほとんどの人はこのような権益を放棄、または権利を守ろうとしていないからだ。中国で権利を守るコストは非常に高くつく。だから郭教授の行動は非常に有意義なことであり、この訴訟は顔認証技術に挑戦している」

法学博士の郭さんは、顔認証をはじめとする個人情報保護問題に関してある程度研究しており、顔情報の収集と使用には安全リスクがあるため、娯楽施設で使われると、個人情報が漏洩しても誰も責任を取らない可能性があるとして、懸念を示しています。

オーストラリア在住の中国人学者、張小剛(ちょう・しょうごう)さんは、郭さんが起こしたこの行動は中国では前代未聞の試みであると語ります。

豪州在住の中国人学者、張小剛氏
「このことの今後の進展について、私の見方は悲観的だ。なぜなら、全体的な趨勢から見て、中共は顔認証をさらに広く推進しようとしている。独裁政権の普遍的な現象の一つが、全てをコントロールすることで、現在はハイテクを利用して統制を強化しているからだ」

張さんは、郭さんがこの訴訟で勝ったとしても、中国共産党当局の国民に対する全面的な監視を止めることはできないと考えています。