【動画ニュース】天安門事件から30年 今も続く事件関係者への弾圧

1989年6月4日に起きた天安門事件から今年で30年、中国当局は当時の虐殺を隠蔽するため、当時の民主化運動家を迫害し続けています。事件の節目となる今年に入って当局はさらに神経をとがらせており、北京師範大学の元学生で89年の民主化運動に参加した王徳邦(おう・とくほう)さんは5月16日、警察から呼び出され取り調べを受けました。王さんは事件から30年にわたって自身と家族を迫害し続けてきた中国当局に対し、強い怒りを感じています。

中国の人権擁護サイト『維権網』は、5月16日午前に広西省桂林市公安局の国内安全保衛支隊の警官2人が全州に向かい、全州県の国内安全保衛支隊の警官2人と合同で、北京師範大学の元学生で89年民主化運動関係者の王徳邦さんに対する取り調べを行ったと伝えました。警官らは海外に留学している王さんの娘の状況を細かく問い詰め、下の娘も出国を考えているかどうかを聞き出そうとしました。この娘も数日前に学校で家庭状況を調査されています。王さんは、自分の家族は当局から常に圧力をかけられ、子供が安心して学校に通うことすらできないと語っています。

89年民主化運動の参加者、王徳邦さん
「彼らは私の状況を調査するために私のところに来た。私の子供の状況を追跡し、私が6月4日に何か画策しているのではないかと探りを入れ、家庭状況を調査した。彼らは私が何らかの行動を起すために準備しているのではと思ったのだろう」

警官は王さんに、近々出国する計画があるかとも尋ねましたが、王さんは「当局は国民の出国する権利を公然とはく奪するのか」と反論しました。天安門事件に関し調査し、書籍を執筆した中国社会科学院の元政治学者、陳小雅(ちん・しょうが)さんも今年の初め、ベトナム旅行に出発する際に税関で止められました。

王徳邦さん
「陳小雅さんも迫害されている。彼女は89年民主化運動を研究し、89年民主化運動史について執筆した。1月に広西省の東興税関で出国を止められた。他にも大勢の人権活動家や人権派弁護士が出国を禁じられている。彼らの家族、彼らの子供もパスポートを発給してもらえないし、出国も許可されない。出国を試みても税関で止められる」

王さんは30年間の迫害に怒りを禁じ得ません。桂林当局は以前も王さんを桂林に住めなくするため、王さんの妻と親戚が桂林市に共同で建てた住宅を何度も取り壊しました。そのために王さんと親戚は借金を背負い、親戚との関係も壊れてしまいました。

王徳邦さん
「この30年、私たちはずっと迫害から逃れられなかった。89年の後、私は中国人民大学の大学院に合格したが、私の入学資格ははく奪された。その後私はアルバイトに出ざるを得なくなったが、当局は経営者に『この人物に仕事を与えてはならない』と言った。当時の虐殺を見てきた人間を、どんな手を使っても殺してやりたいのだ」

王さんはまた「六四天安門事件30周年が近づくにつれ、人権に関わるすべての事件が中国当局を怯えさせている。今年に入ってから国内ではちょっとしたことにも過敏に反応し、些細なことにびくびくし、多数の人権活動家が拘禁されている。拘束は今でも続いている」と語っています。