【動画ニュース】物価高騰の中国「果物・野菜が買えない」

中国では最近、物価の上昇が止まりません。特に必需品の野菜や果物などの価格が高騰し、一般庶民は「高すぎて果物が買えない」と悲鳴を上げています。

中国では今年、豚肉の他に、生鮮野菜や果物も大幅に値上がりしています。国家統計局のデータによると、この3項目の4月の消費者物価指数(CPI)は前年当月比10%以上上昇しています。うち、果物の上昇幅が最も大きく、高くて買えないと悲鳴が上がっています。データによると、果物価格の上昇幅は、安徽省が30.9%で最も大きく、生鮮野菜においては江西省がトップで、29.3%の上昇幅を記録しています。

輸入果実類においては、もともと中国国内産より高かったのが、最近はさらに値上がりし、アメリカンチェリーは500グラムあたり60元、日本円でおよそ950円で、チェリー一粒が卵一つの値段よりも高くなっています。

りんご、オレンジ、梨、ぶどう、メロンなど、普段よく食べる果物も値上がりしています。北京の新発地卸売市場の果物価格は昨年同期比78%上昇し、最近の1週間は10%上昇しています。

新疆ウルムチ市のある果物ショップの店主によると、旬の果物が値上がりしているほか、梨やリンゴなどの普通の果物は前年同期比40%以上上昇しているといいます。

上海市民の程(てい)さんは、果物や野菜が高すぎて、庶民は生存すら問題になっていると述べています。

上海市民 程さん
「野菜価格は8倍に跳ね上がり、朝市も夕方市場も値上がりしている。バナナは9元になり、庶民はもう生きていけない。給料が安すぎて、野菜が買えない。値上がりがひどく、市場で野菜を拾ってきている。私も含めて、野菜を拾っている」

安徽省の朱(しゅ)さんは、地元では全てのものが値上がりし、果物は10倍以上、野菜は5倍に値上がりしたため、買うのを我慢してご飯だけを食べていると話しています。また、アフリカ豚コレラ発生のため、豚肉も長い間食べていないとのことです。

果物、生鮮野菜、豚肉のほか、ニンニクや唐辛子などの食品も全て値上がりしています。物価上昇の原因について、中国当局は季節的要素と自然災害による減産を理由にしています。

一方、世論は米中貿易戦争の影響で、中国経済の減速が加速化し、人民元安や失業率の上昇などによって、物価が高騰していると見ています。しかし、当局の情報封鎖によって、物価高騰の真の原因について、一般庶民は知る由もありません。

 
関連記事