【動画ニュース】中国政府発表のGDPに疑問 専門家「中国政府に内在する危機が明るみに」

中国政府は今年の第一四半期の経済成長率が6.4%に達し、市場が期待する6.3%を上回ったと発表しましたが、労働市場は過去6年で最悪の状況を呈しています。専門家は、中国当局は米中貿易戦争によって生じた危機に対応するため、引き続き資金を大量投入するやりかたでGDPを偽っているが、虚偽のGDPデータでも絶えず生じる企業倒産と失業の嵐を隠し通せなくなっていると指摘します。

4月19日、北京人民大学の中国就業研究センター(CIER)は中国の求人サイト「全国招聘網」が発表したデータを引用し、今年の第一四半期における中国の求職人口は昨年同期比で31%増加して2011年以来過去最高となった一方で、企業の求人は7.6%減少したことを発表しました。また、今年の第一四半期の企業の欠員者数は11%減少したうえ、就職市場景気指数(CIER指数)が1.68まで低下し、2014年以来過去最低となったことも併せて発表しました。

このデータが公表されてから、今年の第一四半期のGDPが予測を上回ったとの中国当局の発表は嘘だったのではないかとの疑念が生じています。

これより前に中国国家統計局は第一四半期の経済データを公表して、全般的に市場の予想を上回っていると発表し、景気の後退はある程度抑制されており、第一四半期のGDPは昨年同期比で6.4%増加して市場の予想(wind)の6.3%を上回ったとしていました。

米国サウスカロライナ大学ビジネススクールの謝田教授
「今回の中国当局のデータねつ造はあまりにも稚拙だ。失業問題がこんなにも深刻化して、いたるところでリストラが行われており、大量の工場が外国に移転しているのに、中国の経済成長率は6.4%を維持しているとまだ言っている。6.4%が真実なら、かなり高い成長率だ。中国当局も経済危機を心配する必要などないし、景気の後退を案ずることもない。そして貿易戦争においても、米国に譲歩する必要はないはずだ」

米国UCLAアンダーソン予測センター経済学専門家の兪偉雄氏
「もはや6.4%に何の意味もない。重要なのは中国経済の成長がすでに空虚なもので、景気の後退が深刻化しているという点だ。中国政府は過去の常套手段である金融緩和や貸し付け、債務の奨励を行って景気を刺激するというやりかたで経済にてこ入れを始めたが、これは金の力に頼ったやり方で、実際の経済成長には何の役にも立たない。就業状況はそんなに理想的な状況にはない」

中国は世界第二位の経済大国とされていますが、中国経済の「水太り」は紛れもない事実であり、債務の累積による経済成長は世界を憂慮させています。ゴールドマン・サックスは、2016年の中国全体の債務規模はGDPの270%を占めていると試算しています。また米国の大手コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーは中国全体の債務がGDPに占める割合は282%と予測しています。

中国の金融シンクタンク研究員の鞏勝利氏
「金融政策を緩和しても中国はすでにブレーキを掛けられなくなっている。金融危機の開始から、中国の通貨発行量はずっと世界最大であり、通貨発行量はGDPの2倍に迫っている。こうした状況は世界でも極めて珍しい」

中国政府が金融緩和を要求する現在の状況において、通貨の発行によるGDPの刺激は、中国当局を抜き差しならない状況に追いやっています。

生産能力の深刻な過剰に陥り、企業もできることがなく、地方政府も土地政策で収入を得ることができない状況に直面したため、以前に中国当局は大規模な短期貸し付けを行って国民が融資を受け、活発な消費活動を行うように仕向けました。しかし、こうした資金はやはり、いつ株価が暴落してもおかしくない不動産市場へと流れました。

中国住宅及び都市・農村建設部は不動産価格や地価の変動が比較的激しい大都市に対し、地価、不動産価格、社会予測の安定をめぐる調整目標を要求して市場の大変動を防止せざるを得なくなりました。

米国UCLAアンダーソン予測センター経済学専門家の兪偉雄氏
「中国政府が過剰債務削減を推進する政策を行おうとするといつも、それを行った後に景気が減速し、すぐに断念せざるを得なくなる。そして改めてレバレッジを行って景気を刺激する。これは危険な状態だ。なぜならこのレバレッジによって多くの資金が不動産市場や株式市場に流れて不動産価格が高騰し、それが主要な経済の運動エネルギーを絞め殺してしまうからだ」

中国の金融シンクタンク研究員、鞏勝利(きょう・しょうり)さんは、中国の経済問題が解決不能になったのは、党・政府機関にかかるコストが高止まりしているからだと考えています。党・政府機関のコストが下げられないのであれば、減税しようが、銀行が過剰債務の削減を行おうが、目標を達成することはできません。

謝田教授は、就業、金融、貿易、外資、投資、社会予測の6つの分野の安定化を図るとする中国政府の今年の「6つの安定」政策において、就業を除くその他は世論や偽装によってごまかすことができるが、第一四半期の就業指数が過去5年で最低を示したことで、中国共産党に内在する危機が明るみに出たと指摘しています。