【動画ニュース】中国の治安維持費さらに5.6%増加 「お金は官僚のポケットに」

年に一度の中国共産党の両会、「全国政治協商会議」と「全国人民代表大会」が3日から始まりました。毎年この時期になると特に注目されるのが、国防予算と治安維持費です。国防予算は去年より減少したものの、治安維持費は去年よりもさらに5.6%増加しています。自国民や陳情者の抑圧に使われる治安維持費ですが、実はその大部分が官僚のポケットに入ると指摘されています。

3月5日、全国人民代表大会(全人代)が開幕しました。李克強首相は政府活動報告の中で、国防予算と俗に「治安維持費」とも言われる公共安全予算については言及しませんでした。当局の発表によると、今年の国防予算は1兆1900万元、日本円で約19兆7540億円で、前年比伸び率は7.5%で、2018年の8.1%よりやや縮小しています。いっぽう、治安維持費用は1800億元(約2兆9844億円)で、2018年より5.6%増加しています。

陝西省の陳情者 陶蘭梅さん

「治安維持とは陳情者を(北京から地方に)連れ戻すことで、陳情者は監禁されたりする。彼らの政権を守るためだ。治安維持費なんてあってはならない。あれほど多い治安維持費を民生の改善に使ったり、陳情者の冤罪を解決してあげたらどれほど良いことか」

陳情者の蔡さんはラジオ・フリー・アジアの取材に対し、「当局は近年ネット上の言論統制を大幅に強化し、そのうえ陳情を治安を破壊する不安定要素と定めている。当局が発表した治安維持予算は実際の数字よりははるかに低いはずだ」と述べました。

一般市民の呉さんは、治安維持費を陳情者の問題解決に使えば、返って安上がりになるだろうと述べます。そうしない原因について、この中に利益分配の問題が絡んでいるからだと考えています。

一般市民 呉さん

「治安維持費は大部分が治安維持隊員と幹部の人件費に使われる。出張の旅費を請求する時は、もちろん嵩を増して報告する」

このような状況について、中央政府は知っていても知らないふりをするしかないと、呉さんは言います。

一般市民 呉さん

「司法の独立が許されないため、多くの冤罪事件を生み出している。民衆の鬱憤がたまるので、これらの事件は解決しないといけない。それで陳情という偽の解決制度を設けたが、地方政府が中央政府の身代わりになって罪を着るので、 中央政府は地方政府のやり方に対し、目をつぶるしかない

中国当局は2014年から、中央レベルの公共安全予算のみを公表し、全国の治安維持費用は公表しなくなりました。外界からは地方政府の膨大な治安維持支出を隠すためであると批判されています。