北朝鮮の非核化「急がず」、制裁は当面継続=トランプ米大統領

[ワシントン 19日 ロイター] – トランプ米大統領は19日、ホワイトハウスで記者団に対し、北朝鮮の非核化を望むが、急いではいないと述べ、早急な非核化実現を求めない考えを示した。同時に、北朝鮮への制裁は当面継続するとした。

大統領は「北朝鮮は核実験を行っていない。核実験がない限り急がない」とした上で「私はただ北朝鮮の最終的な非核化を見たいだけだ」と語った。

トランプ大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と来週27─28日にベトナムの首都ハノイで2回目の首脳会談に臨む。

ポンペオ米国務長官は先週、CBSニュースに対し、金委員長は「今こそ約束を果たすときだ」と語っていたが、トランプ政権は北朝鮮に即時非核化を求めてきた強硬姿勢から態度をやや軟化させている。

米国務省は19日、米国のビーガン北朝鮮担当特別大使が米朝首脳会談の準備を整えるためハノイを訪れると発表した。

ビーガン氏はすでに今月6─8日に訪朝し、北朝鮮高官の金革哲氏と会談。2回目の米朝首脳会談の準備会合とされたが、米国務省は協議の進展の有無について明らかにせず、両氏が首脳会談の前に再協議を行うことで一致したと発表していた。

国務省のパラディーノ副報道官は19日の記者会見で、ビーガン氏がハノイで行う会合の詳細について把握していないと述べた。

北朝鮮は、米国主導の対北朝鮮制裁の解除、朝鮮戦争(1950─53年)の終結宣言、北朝鮮体制の安全保証を求めている。

パラディーノ副報道官は、米政府が制裁解除を検討するかとの質問に「制裁については明確な立場を示している。対北朝鮮制裁は国際的な制裁であり、完全で検証可能な非核化という最終目標が達成されるまで維持される」と回答。その上で「この問題に関する協議の詳細について言及するのは差し控える」と述べた。

また、米朝両政府が連絡調整官の派遣や朝鮮戦争の終結宣言について協議中との報道について問われると、「多くの問題が協議されている」と述べ、直接の回答を避けた。

これに先立ち、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、トランプ大統領と電話会談を行い、北朝鮮の非核化プロセス加速化に役立つ場合、同国との経済的な取り組みに着手する用意があることを伝えた。

トランプ大統領は20日に安倍晋三首相との電話会談を予定している。

 
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