【動画ニュース】米国務省が米国人の中国への渡航をレベル2で注意勧告

米国務省は訪中する米国人、特に米中両国の国籍を持つ米国市民に対し、中国当局から不当に拘束される可能性を指摘し、警告を発しました。中国国内の米国市民は理由なく拘束される可能性があるうえ、自身が何の法に触れたのかも分からないまま、米国領事館からの接見も受けられない可能性があるとも指摘しています。あるアナリストは、中国当局が米国とカナダの市民を拘束して人質とし、政治の駆け引きの道具として利用していると指摘しています。

米国務省は中国への渡航注意勧告を更新し、旅行や短期滞在で中国を訪れる米国市民に対し、滞在中は「特に警戒するよう」求めました。

米国務省が1月4日に発表した渡航危険情報では、中国は引き続きレベル2に指定されているほか、さらに「中国当局はセキュリティーチェックや警察官の増員などを行いセキュリティー対策を増やしている。この状況は特に新疆ウイグル自治区とチベット自治区で顕著だ。中国当局は近いうちに夜間外出禁止令の発令と旅行制限を行う可能性がある」との警告も出されています。

米国の渡航注意喚起レベルは、レベル1「通常の注意」からレベル4「渡航禁止」の4段階に分かれています。

在米時事評論家 夏小強氏

「レベル2の警告は旅行中のリスクが高まったことを警告しているに過ぎず、相対的に言えばまだ十分に深刻なレベルには達していないということだ。ただし、少なくとも表面的には米中関係がすでに緊張状態に突入したことを反映している。また、深いレベルで言えば、米中関係に根本的な変化が生じたことを示してもいる」

国務省はさらに、中国当局が出国禁止命令を理由に米国人の中国出国を禁止する場合があると警告。中国政府の捜査に協力させたり、海外にいる人物を中国に帰国させたりするため、あるいは民事訴訟において中国側の有利になる解決を促すために、何年も出国できなくする場合もあるとのことです。

また、米国人のほとんどは出国間際になるまで自身が出国を禁じられていることを知らず、出国禁止期間の長さを知ることもできないとも指摘しています。

国務省はさらに「中国は二重国籍を認めていないため、米中両国の国籍を持つ市民、または中国系の米国市民は特にこうしたもめ事や嫌がらせの対象となる可能性が高い。中国政府はこうした米国市民が米国大使館の支援を受けることも禁止する可能性がある」とも述べています。つまり、中国滞在中の米国市民が理由なく拘束される可能性があるうえ、自身が何の法に触れたのかも分からず、米国領事館からの接見も受けられない可能性があるということです。

在米時事評論家 夏小強氏

「米国務省が中国渡航警告を発した主な理由は、中国で以前米国市民の出国が禁止されたケースがあり、現在少なくともカナダ人3人が当局から拘束されたからだ。米国務省のこの動きから、米国政府は中国の不当行為を見極めたことがわかる。中国当局は米国市民とカナダ人を人質に取り、政治的な駆け引きの道具にしている」

昨年12月上旬にファーウェイCFO孟晩舟氏が逮捕されてからすぐに、米国務省は中国への旅行や居住予定のあるすべての米国市民に警告を発し、中国では注意を怠らないよう求めていました。

米国在住の時事評論家 鄭浩昌氏

「米国は入念な検討を経てレベル2を選択したと思われる。こうすることで孟晩舟事件に反発して人質外交を行っている中国に対する不満を表明しつつ、中国政府の怒りを回避することもできる。またこうすれば、貿易協議において中国が言いがかりをつけない限り、新たな問題が起きないようにできる」

12月1日、カナダ当局は米国の求めに応じて、対イラン経済制裁に違反し、詐欺を働いた疑いでファーウェイCFO孟晩舟氏を逮捕しました。孟氏の身柄が米国に引き渡されてから審理が開かれるとみられます。

その後中国政府は「違法な拘束」を開始して「必ず報復する」と明言し、カナダの元外交官で、現在は「国際危機グループ(ICG)」の上級顧問を務めるマイケル・コブリグ氏と、カナダ人ビジネスマンのマイケル・スぺイバー氏を拘束しました。